『Darwin Project』がSteamにて基本プレイ無料化。視聴者投票により試合展開が決まる実験的バトルロイヤル

Scavengers Studioは4月21日、Steamにて早期アクセス中の『Darwin Project』を基本プレイ無料化した。『Darwin Project』は10人の出場者と1人のディレクターの計11人でプレイするバトルロイヤルゲームである。

Scavengers Studioは4月21日、Steamにて早期アクセス中の『Darwin Project』を基本プレイ無料化した。有料版を購入済みのプレイヤーには、4月24日にスキンアイテム数点がセットになったFounder’s Packが付与される。

本作は10人の出場者と1人のディレクターの計11人でプレイするバトルロイヤルゲームである。極寒の地にて出場者たちが死闘を繰り広げる中、神視点からマッチを俯瞰するディレクターが爆撃の投下や特定プレイヤーの回復により試合展開の一部をコントロール。さらにTwitch/Mixerとの連携機能により、視聴者たちが動画配信を通じて次の一手を投票する。出場者・監視者・視聴者が揃ってマッチを盛り上げる、リアリティ番組形式の対戦ゲームなのだ(関連記事)。

※2017年11月に公開された開発者解説動画

ゲームモードはソロとデュオに対応。日本語非対応ながら将来的な日本サーバの追加も予定されている。なお本作では4月24日にキャラクターレベルがリセットされ、その後はレベルが上がるにつれてスキンアイテムを入手できるようになる。今のところゲーム内での課金は実装されておらず、新しいスキンシステムに合わせて収益化が図られるのかどうか、今後のマネタイズ手段が気になるところである(今回の発表には、お金を払った者が有利になるPay-to-Winは導入しないと記載されている)。

運に左右されにくい実力勝負が繰り広げられる中、ディレクター権限と視聴者投票がマッチをかき乱す。他のマルチプレイ対戦ゲームとは一味違った実験的な作品であり、同ジャンルに興味のあるプレイヤーは無料化を機に試してみて損はないだろう。

現在主流となっている1マッチ最大100人のバトルロイヤルゲームは、快適なマッチングを維持するため通常のチーム対戦型マルチプレイよりも多くのプレイヤー人口が求められる。そうした意味でも、『フォートナイト バトルロイヤル』『H1Z1』『Radical Heights』といったタイトルがF2Pで提供されているのは理にかなっている。まずは人を集め、それから収益化を目指す狙いだ。

一方『Darwin Project』は1マッチ11人で遊べるため、比較的小さなコミュニティでも成立する。それでも、最近ではマッチング時間が長くなったり、人口の少ないサーバでマッチを探すことが困難になってきたという声が、コミュニティより寄せられるようになったとのこと。新しいプレイヤーを呼び込み、ゲームを最大限に楽しめる環境を維持するため、F2P化に踏み切ったのだ。

ここ数日の間、『バトルフィールド』や『コール オブ デューティ』の新作にてバトルロイヤルモードの導入が検討されているという報道が相次いでいる(関連記事)。大手パブリッシャーの参戦が予想される中、『Darwin Project』のような小規模プロジェクトはどのように棲み分けを図っていくのか。レッドオーシャンとなりつつあるバトルロイヤル市場での生き残りをかけた戦いはしばらく続きそうだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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