『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』が数ある大作を抑えてBAFTAアワードのベストゲームに輝く。最多受賞作品は『Hellblade』に

第14回英国アカデミー賞ゲーム部門の授賞式が4月12日に開催され、各カテゴリーの受賞作品が発表された。まず「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」に値する「Best Game」部門を制したのは、『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』。インタラクティブな物語体験であることにこだわり抜いた同作が、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』『Horizon Zero Dawn』といったビッグタイトルを抑えての受賞となった。

第14回英国アカデミー賞ゲーム部門(BAFTA Game Awards)の授賞式が4月12日に開催され、各カテゴリーの受賞作品が発表された。まず「ゲーム・オブ・ザ・イヤー」に値する「Best Game」部門を制したのは、Giant Sparrow開発のアドベンチャーゲーム『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』。インタラクティブな物語体験であることにこだわり抜いた同作が、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『スーパーマリオ オデッセイ』『Horizon Zero Dawn』といったビッグタイトルを抑えての受賞となった(参考:弊誌レビュー)。

最多受賞は『Hellblade: Senua’s Sacrifice』の5部門(セヌア役のMelina Juergens氏が受賞した「Performer」部門含む)。受賞したのは「Artistic Achievement」や「Audio Achievement」部門であり、精神を病んだ女戦士セヌアの幻覚や幻聴を、ビジュアル、サウンド、そしてJuergens氏の演技力により描き切ったことが、全面的に評価された形となる(参考:弊誌レビュー)。精神疾患という題材に真摯に取り組み、設定を見事に活かした本作はゲームを超えたエンターテインメント、「Game Beyond Entertainment」部門も制している。

『Hellblade: Senua’s Sacrifice』

「Best Game」を逃した『スーパーマリオ オデッセイ』は「Family」と「Game Design」、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は「Game Innovation」賞を獲得。4枚のパネルに描かれた風景画を動かしてパズルを解く『Gorogoa』は、優秀なデビュー作品に送られる「Debut Game」賞に選ばれた。「Narrative」部門は大学を中退したネコのモラトリアムを描く『Night in the Woods』、「Music」部門は2Dカートゥーンアクション『Cuphead』。昨年「Multiplayer」部門で受賞した『オーバーウォッチ』は、「Evolving Game」(長期運営により進化し続けるゲーム)部門の勝者として再びスポットライトを浴びた。そのほかの受賞・ノミネート作品一覧は、BAFTA公式サイトより確認できる。

※本業はNinja Theoryのビデオ・エディターでありながら、迫真の演技により「Performer」部門を制したセヌア役のMelina Juergens氏

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

Articles: 1953