宴のあと / September 4th
Gamers’ Geographic 日本語版ライター陣が一週間にプレイしたゲームについてなるべく頭を使わず語るのが [Now Gaming] です。毎週土曜定期更新予定。
Nobuki Yasuda -ゲームのためにゲーム
まだクッキーを焼いていました。5600兆枚ほど焼いたあとにリセット、Heavenly Cookie を100枚そこそこ手に入れた状態で再スタート。3日足らずでリセット前の状況にまで持ち直しました。
『Cookie Clicker』がゲームなのかそうでないのか、それはひとまず置いておきましょう。話は変わりますが、北米一部地域では教育レベルの低い層が学内の中心 的コミュニティを形成する学校において、その無秩序を解決すべく様々な試みがなされてきました。その1つがフェンシングです。なぜかというと、フェンシン グはスポーツとしてはどちらかといえばメジャーでなく、それゆえに比較的少ない努力で勝利をもぎ取れるからです。こうすることにより、スレてしまった ティーンエイジャーたちも他者から認められる快感を獲得し、しこうして真っ当な道を歩むようになるというロジックです。
クッキーとはそういうゲームです。承認欲求の充足と、そのスタートラインの極限までの引き下げです。いいじゃないですかゲームで自己実現。こんな茫 漠の砂漠にじょうろで水をかけるかのような感覚、嫌いじゃあありません。わざわざタンスの奥から眠っていた古いノートPCを引っ張りだし、クッキー焼き専 用マシンとしたとして誰が私の欲求段階に介入できるというのでしょうか。
なお、ざっくりとしたゲーミング近況をご報告いたしますと 『艦これ』は司令部レベル56で4-4を攻略中。どこかから「重雷装巡洋艦が強いよ!」などという(今となっては)無用なアドバイスが聞こえてきてそれに イエスマンした結果、大井と北上が成長途上で轟沈しました。あまり言い訳したくありませんが、TGS の中日に景気よく他のメンバーと酒を飲んだのが敗因の1つです。
『Cookie Clicker』は Nihilism の実績(合計1000兆枚焼いてからリセット)を解除したのち、2周目へ。現時点までで焼かれたクッキーは1京348兆枚ほど。CPS(Cookie Per Second、秒間生産クッキー枚数)は約338億です。まだやるのか?まだやります。
『モンスターハンター4』 は上位をなめた低い防御力で友達に寄生した結果 HR が5まで上がり、装備もそこそこ整いました。個人的にはあまりこのモンスター?とか呼ばれる巨大生物をハンティングするよりピッケルを振るうほうが好きな のですが、まだどこの標高を低くしてやるのか判然としていないので手をつけていません。
あと、iOS『Plague Inc.』始めました。『infectonator』のマクロ版といえば分かる人には分るでしょうか。
きっちり短時間で終わる上、ゲーム自体の戦略性・難度もそこそこのもので、適当にプレイしていては Easy すらクリアできないでしょう。見ての通りテロップでもきっちり笑わせてくれます。
それにしても限界すれすれまで不謹慎なゲームだなあと。よくこんなものが App Store に並んだものです。
Okunokami Kuheiji – Civで生産性低下
今週は少々予定が立て込んでいたため、全体的にプレイ時間は短いです。
週の前半はいつもどおりの『Civilization V』と『Cookie Clicker』で過ごしました。しかし、週の後半から通勤時間程度でカジュアルに人類を絶滅させられる『Plague Inc.』にハマっております。一言で片付けると「ダメだった『コンテイジョン』」です。
人類を壊滅させるべく日夜研究を重ねておりますが、これがなかなかなかなか手ごわく、ナメてかかると Easy でも失敗します。開始する伝染病のタイプにもよりますが、最初から症状が強すぎてもダメ、致死症状への転換が遅すぎてもダメ、感染エリアが偏っていてもダ メ。タイミングと症状の理解が肝心です。
恐らく最適化すればかなりの効率で人類を壊滅させることができるでしょう。時間がない・ゾンビで楽しみたい・とりあえず人類滅亡させたい方は DLC の購入もあります。Android 版は無料ですが英語版です。iOS 版は日本語版で100円。私は iOS 版を購入しました。
Dimitri Toichi – ワイイン
『Shadow Warrior』をリリース直後からずっとやってます。全体の2/3程度まで進みました。
『Hard Reset』 の Flying Wild Hog が作っているだけあって、シングルFPSとしてはかなりの出来です。Katana で敵を斬りまくるのがとても気持ちよく、Katana がメイン武器、銃器はサブ武器という調整がうまく成り立っています。また、『Hard Reset』にも存在した「勘違いした日本感」は健在、いやそれ以上のものになっています。
あとこの主人公、あくまで Shadow Warrior であって Ninja ではないため、全く忍びません。しめやかなエントリーもしません。YAKUZA は斬ります。前に出て敵を倒すことだけ考えればいいのが心地よくて、もうずっとプレイし続けています。
UnFreeMan – 血流不全
ひどくパーソナルな話で大変恐縮なのだが、私は寒いのが大変に苦手である。体質的に寒さというものが受け入れがたく、冬の間はゲームを買うにも普段あまり使用しないネット通販で済ませてしまうくらいだ。
「体質的に」と言ったが、より具体的に表現すると――
つまりこういうことだ。
私はかなりの冷え性なので、家の中にいても体の先端からどんどん冷えていってしまい、最終的にひどいしもやけになってしまう。特に足がひどく、例年 通りなら来月末辺りから足のむくみと痒みに苦しんでいるはずだ。冬の寒さに比べれば夏の暑さや春先の花粉症、秋口の台風など苦痛のうちには入らない。
私の憂鬱はさておき、今週は『Plague Inc.』である。自分の好きな名前の病原体を用意し、ただ1人の感染者からパンデミックさせて人類滅亡を目指すというなんともブラックなゲームだ。病原 体にはバクテリア、真菌、ウイルス等いくつかの種類があり、それぞれが独立したステージ扱いとなっているが、目的は皆同じく地球人類の抹殺である。感染人 数の拡大や死者に応じて得られる「DNA」を使用して、感染力や致死率を成長させ、人類が特効薬の開発を完了する前に絶滅せしめるのだ。
とくに面白いのは終盤に解除される「ナノウイルス」「生物兵器」の2種類の病原体で、それ以外の病原体に共通して通用する攻略法が使用できない特性となっており、難易度Hardであれば最後の1人が死ぬまでまったく気の抜けない戦いが楽しめる。
ゲーム中で獲得できる「症状」の中に、人類の抵抗力を下げる「パラノイア」という項目がある。しもやけで発狂。私には笑い事ではないが、世界地図が 次々と感染を示す赤い点々で埋まり、やがて人類の死滅によってゆっくりと黒くなっていく様を眺め、背徳的な笑いを浮かべるのは悪く無い。このゲームはしも やけの危険と苦しみを啓蒙する教育ソフトなのかもしれない。病原体の名前がしもやけで固定であればの話だが。
ishigenn – 不殺のステルスゲーム
『Splinter Cell Blacklist』をクリアしました。侵入ルートも武器もガジェットも非常に豊富で、迷うぐらい色々な手段があるゲームでした。
この多種多様な手段への対応を目指したのが『Blacklist』の新評価システムです。評価軸がステルスの「ゴースト」、ステルスキルの「パンサー」、敵を倒す「アサルト」に別れており、プレイヤーが好きなプレイスタイルをチョイス出来るという代物になっています。
でも個人的に、殺人の権利こと第5の自由を与えられて、国家を狙うテロリストと戦う歴戦の諜報員サム・フィッシャーの任務スタイルは、「ゴースト」と「パンサー」の中間ぐらいだと思うんですよね。要するに必要とあらば敵は殺すし、不要なら避ける。
でもこのゲームでは避けた敵は「ゴースト」に分配されてしまうので、キル&スルーのプレイスタイルを選ぶとスコアはそれぞれの軸に分散してしまい、評価画面で「きみ中途半端だよ」と宣告されることになります。ゲーマー的屈辱です。
そういう意味では『Hitman』のノーキルプレイって凄く受け入れやすい。ターゲット以外は殺さない、というのは「殺しをあくまで仕事と捉えてい る」という47の美学として非常に許容できます。ステルスゲームと言えばノーキル・ノーアラートがスコア評価の頂点となっていますが、その不殺の精神はど こからくるのか、ステルスゲームをプレイしていると良く感じるわがままな悩みです。