敵船に乗り込め、支配しろ。「宇宙海賊」たちの戦いを描く対戦型FPS&フライトコンバット『Galaxy Heist』

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第113回目は『Galaxy Heist』を紹介する。『Galaxy Heist』はオンラインマルチプレイヤー対応のFPS&フライトコンバットゲームだ。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第113回目は『Galaxy Heist』を紹介する。

『Galaxy Heist』はオンラインマルチプレイヤー対応のFPS&フライトコンバットゲームだ。タイトルにある「Heist(強盗)」を見ると、Overkill Software開発の『PayDay』シリーズや『Grand Theft Auto V』の「Heistモード」を思い浮かべてしまうが、本作の舞台は現代都市ではなく「宇宙空間」、さらにプレイヤーたちが操作するのは覆面スーツマンではなく「宇宙海賊」である。プレイヤーは宇宙海賊団の一員となって、敵船に乗り込みコントロールを奪うことを目的に戦う。

おおまかなゲームの流れはこうだ。

  1. 敵との戦いで優位を取る
  2. 敵船に乗り込む
  3. 敵船を支配するため戦う
  4. 敵船を制圧する

まずプレイヤーたちは大きな2つのチームに分けられ、さらに各チームのなかで4人から5人の小隊が編成される。各小隊には巨大なフラグシップが配備されており、プレイヤーたちはこのフラグシップからリスポーンするかたちで戦う。最低でも1マッチで12艦から15艦のフラグシップが登場する予定で、60人から75人規模の海賊たちが宇宙空間であいまみえるようだ。

フラグシップからスポーンしたプレイヤーたちは、役割を分担して壮大な宇宙戦闘を繰り広げることになる。ゲーム中には主要な3種類の役割が存在し、操縦席からフラグシップを操る役、機銃を操作して敵フラグシップや敵戦闘機を攻撃する役、さらに各フラグシップに4機搭載されているドローン戦闘機に乗って戦う役にプレイヤーたちは別れる。プレイヤーが操作していない機銃や戦闘機は、AIが操作するかたちになるという。

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60~75人規模の戦闘、十数艦のフラグシップが登場するなど、宇宙版『Battlefiled』と言えるような大規模なゲームとなる。ゲームエンジンには「Unreal Engine 4」を採用

また本作のメインメカニックとなるのが「敵船への乗り込み(Boarding)」だ。機銃やドローン戦闘機の攻撃で敵フラグシップの動力をオフラインにしたら、機銃から鋼鉄のワイヤーを敵船に撃ち込み乗り込む。敵船に乗り込むことができれば、ゲームはフライトコンバットや機銃操作アクションから、敵船内のコントロールを奪うFPSパートへと移行する。ブリッジへと向かう攻撃チームと、それを防ぐためフライトデッキからリスポーンして戦う防衛チームの戦いが繰り広げられる。

バキュームキャノンで敵フラグシップ艦首の窓を破壊すると近くの敵が外に吹き飛ばされる、酸素供給システムが停止し窒息死する、エンジン冷却システムでは危険なファンが回転しているなど、船内には多種多様なインタラクティブ要素が用意されている。ゲーム内に登場するフラグシップは、どれも異なる形状と内部構造になっているそうだ。なおフラグシップには脱出装置も存在し、敵の一団に攻撃を受けたら味方の船に逃げる、といった行動をとることも可能である。

『Galaxy Heist』のゲームモードや対戦ルールの詳細は明らかにされていないが、ゲームシステム的に、フラグシップが撃沈されればその船に所属しているプレイヤーはリスポーンしないと見てよいだろう。敵船を落とすために攻めるのか、敵プレイヤーの攻撃を防ぐために守るのか、目まぐるしい攻防戦が本作の持ち味となる模様だ。

『Galaxy Heist』の開発は、本プロジェクトを進めているSpace Bear DevelopmentのヘッドRyan Lee氏によって始められた。2年前に氏が本作のプロトタイプを作ったことが始まりだという。Epic Gamesに所属していたRama氏など、同スタジオにはコアメンバー4人が所属している。

現在『Galaxy Heist』はKickstarterにて6万5000英ポンドの獲得を目指すクラウドファンディングを実施中。Steamでの配信を目指すSteam Greenlightへも登録されている。リリース時期は未定だが、対応プラットフォームはPC/Xbox Oneとなるようだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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