【TGS13】インディーブースに並んでいたゲームたち (更新)
記者にとっての東京ゲームショウとは、大阪くんだりから幕張メッセまで遠出してまで何十分も行列に並んで動画を鑑賞したり体験版をプレイしたりすることではありません。期待するものは未知との遭遇。そしてターゲットは本会場とは少し離れた9番ホールが中心です。
というわけで、本年度 TGS にて記者が最も沈没時間が長かったのがインディーブースです。それでも、常時誰かが張り付いていて試すことができない・時間が足りない・そもそも展示されていないといった理由で半分もプレイすることはできませんでした。
そこで、何とか触ることのできたものを軽くご紹介します。インディーブース以外に出展されていたものの、あきらかにメインストリームでないと判断できる作品も含みます。順不同。
ブロックを落下させつつ地形を作り、キャラクターをゴールへ導くというルール。ようするに『テトリス』と『レミングス』を合成した作品です。見た目とは裏腹に操作は忙しく、そこそこ頭も使わされます。プラットフォームはAndroid/iOS/Windowsの予定。
マップを構成する配管を再配置しながら、「蒸気を防ぐ」「電気を通す」など各レベルごとのミッションをこなしてゆくパズルゲーム。日本ゲーム大賞 2011の大賞を受賞するなど、すでに実績のあるタイトルで、触った瞬間にその完成度の高さが伝わってきます。プレイヤーのできることは限られているにも かかわらず難度は低くなく、本気のゲームをやらせようという意気込みを強く感じました。
インディーコーナーではなく3カ国同時出展のコーナーに展示されていたもの。抽象的なグラフィックスで移動してゆく、いうなれば「ポインティングア ドベンチャー」。ただし、Wiiリモコンをポインティングデバイスとしているのがミソで、独特の没入感を醸し出すことに成功していました。
昨日のレポートでもお伝えした、記者イチオシの作品。こちらもインディーコーナー展示ではありませんでした。
プレイヤーのできることは横移動とジャンプのみ、操作もけっして快適とはいえず、ゲームのルールやレベルデザインも練り込み不足かもしれません。し かし、「バラバラのピース状にされたマップで自分の位置を推理しながらゴールを目指す」という一点突破のゲームシステムのアイデアは秀逸で、じつにイン ディー”らしさ”に富んだ一作といえるでしょう。
インディーゲームシーンを知る者ならば知らぬはずがない『EF-12』。競技性を高めることを至上の命題としており、その看板の通りすでに刺し合い やコンボの妙味といった格ゲーのコアは構築されつつありました。今後の野望としてはネット対戦の実装やバランス調整といった一般的なところから、「ミカド (ゲームセンターの名前)に置いてもらいたい」というものまで。プレイヤーからのフィードバックも積極的に受け付けるとのことで、真にe-Sports シーンへ殴り込もうとする意気込みを感じました。格ゲーファンは2D3D問わずぜひ触ってみていただきたい作品です。
もはや説明不要でしょう。稼働率ほぼ100%、終始誰かが未知のラ・ムラーナ世界へ挑んでいたのが印象的。基本システムは今のところ変更されていま せんが、これはあくまで仮のもの。ディレクター楢村氏のツイートなどから察するに、あくまでもTGS向けに作られた試作品であり、根本的な部分も変更され る可能性が高いとのこと。なお、記者はブルードラゴン的なボスにぶちのめされました。
落ち物パズルのように見えますが、プレイヤーの操作はブロックのクリックが基本。クリックするごとに色が変わり、同じ色を3色以上連続で揃えたら消 えるルールです。記者はパズルゲームが極度に苦手で『ぷよぷよ』では4連鎖以上組めない呪いにかかっているため、パズルゲームとしての妙味を正しく認識で きなかったおそれがありますが、「とりあえずクリックして消すんだ!」と思わず肩の力が入るシステムでした。また、勘所をおさえたアートスタイルもなかな かのものです。
Vita向けに開発されたタワーディフェンスタイプのシューティング作品。敵を倒すことでリソースを獲得し、それらを砲台に投入、敵を倒してゆくと いう馴染みのあるスタイルです。弾除けの要素は「敵弾をタッチすることで消える」システムで対応。やはりどちらかといえばタワーディフェンスです。
かわいい女の子系ビジュアルノベルです。「2人の女の子からバレンタインチョコをもらってしまった」という切り出しのストーリー。 PlayStation Mobileですでに発売中、価格は175円。なお、記者は「じつは俺は男が好きなんだ!」の選択肢でバッドエンドを拝んでおきました。お約束です。
こちらもビジュアルノベル。ただし、記者がプレイした15分ほどの間には選択肢が登場せず、純ノベル系タイトルである可能性があります。ただし、見 ての通り独特のアートワークにエキセントリックでありながら落ち着きのあるサウンド、そしてなによりストーリーが魅力です。一見するとよくあるファンタ ジーのようですが、抽象的な語り口や SF を想起させるような展開が魅力。
ジャイロで左右に自キャラを動かし、敵を画面端に追い詰め倒すという内容。全5面でボスラッシュもあり。シンプルな作りでした。
『C-Wars』といえば Kickstarter、Kickstarter といえば『C-Wars』……というのは言い過ぎかもしれませんが、有名どころ中の有名どころも TGS 参戦です。躍動感のある2Dキャラクターたちが動き回る様は評判以上。また、見た目はタワーディフェンスライクで根本的にはその通りなのですが、プレイ ヤーはWASD移動や攻撃入力が求められ、アクション性もかなり高くなっています。記者はこの手の操作やゲームにそこそこ慣れているためガッツリプレイし たところ「もうプレイしたことあった?」と聞かれました。まだでした。
オールドライクでありなあらも個性的なアートスタイルに、『スーパーミートボーイ』的な死にゲーを付加。さらに、主人公が様々な攻撃を繰り出すこと ができ(エリアルコンボまである!)、それがパズルに組み込まれてしまっています。面白かったのは、敵を倒すことで手に入るポイントで、「チェックポイン トを任意の場所に作る」という点。操作感もよく、思わず延々プレイしてしまいました。
かわいい女の子がウォータースライダーをしながらコインを集めるゲームです。成長要素あり。
『パンツァードラグーン』あるいは『スペースハリアー』のような内容。宇宙空間からは『スターフォックス』あたりも思い出しました。やや冗長だったでしょうか。
例のアレ枠。なるほど。
3Dグラフィックスを活用した2Dスクロールタイプアクションシューティング。マウスで射撃をエイムできます。4つあるインベントリにどんな武器を 装備させるかといったいわゆる成長要素もあり。なお、操作説明にはありませんでしたが、横方向連続入力でのダッシュなどもありました。ゲームとしての完成 度は少なく見積もって70%、グラフィックスとしては90%といったところでしょうか(追加ステージ等にかかる工数は除く)。ちなみに記者が触った際に 真っ先に思い出したのは『Codename: Gordon』でしたが他意はありません。
もうなんと申し上げればよいのか、ええと、『メテオス』です。がしかしバランス調整が独特で、本家『メテオス』とは異なり下段から一気に全面を打ち 上げるのは至難となっており中段くらいから細かく刻まなければならず、それが駆け引きを生み出しています。また、豪快な効果を発揮する特殊キューブの存在 も本家と一線を画する点。なによりオンラインマルチプレイを視野に入れている点はまさに現代的といえるでしょう。
見ての通り、その名の通りリズムアクションゲーム。円状のマーカーが外周に触れたタイミングでタッチします。台湾のデベロッパーらしく中華風の楽曲 も採用されています。難度は和製音ゲーライクで、鼻歌交じりに押せるものから画面全体がマーカーで埋まるものまで多様。いくつかマーカーのタイミングがズ レているものがあったのが気になりましたが、総合的に見れば「もう完成済み」の1つです。
Brace Yourself Games より『Crypt of the NecroDancer』
INDIE STREAM 組を除けばおそらく一番面白かったのがこれ。リズムアクションとローグライクを組み合わせるという発想力にとどまらない快作です。入力は四方向キーだけとシンプル。スキルやアイテムはキーの組み合わせで発動します。
まずリズムアクションとしては、音楽が気持ちいい、押して気持ちいい、シビアすぎない、単調にならないと練りこまれています。
それにローグ的探索ゲームを組み合わせることにより、せわしなくも楽しく、そして戦略性のあるゲームへと昇華されています。となるとゲームバランス 調整が難しそうですが、本作はその点も絶妙な感覚でクリアしています。油断すれば第1階層で死んでしまいますが理不尽というわけではありません。
リズムに乗りながら冷静に戦術を展開する、素晴らしい味わいです。ステージ・楽曲・アイテム・マップなどいくらでも拡張が想定されるだけに、今後の 展開が楽しみな一作。なにはともあれ上掲トレイラーをご覧ください。ちなみにDDR コントローラーにも対応予定。なるほど、そういう楽しみ方もあるでしょう。
『2秒間サバイバルシューティング』はゲームジャムイベントという行為自体が生み出した怪物。スタートした瞬間から敵が明確なオーバーキル的弾幕を 張ってくるなか何秒間生き残れるかというもの。あまりに単純すぎるにもかかわらず思わずうなってしまう内容は見事というほかありません。また、簡素なゲー ムに映るその実は奥深く、細かい戦略が内在していることも特筆に値します。ちなみに記者のベスト生存記録は2.6秒強。福島会場の来場者には3秒超えがい らっしゃったとか。
『ジャンプガン』は「自機が発射した銃が当たると敵がジャンプする」というアイデアから生まれたパズルアクションです。じつは京都太秦会場には記者 が取材に行っていたため、そちらのレポートで詳細を掲載予定。2面の奇跡的バランス調整はレベルデザインの深奥を感じるものです。
INDIE STREAM の発案者東江氏が開発にかかわっているパズルアドベンチャー。基本的に2Dスクローラータイプで、移動している感触からはそこはかとなく『スキタイのムスメ』あたりを連想します。また、パズル部分の良い意味での乾燥した味わいからは『MYST』のDNAを想起しました。
折り紙をモチーフとしたグラフィックスは上掲トレーラーを見ての通り、唯一無二といって過言ではない世界を構築しています。もはや「飛び出す」という比喩をゲーム映像に使う際、『Tengami』の存在を外すことはできないでしょう。なお、パズルパートの難度は低くなく、記者は全力の取り組み姿勢で挑むことでなんとかいくつかのギミックを解くことができました。
センスオブワンダーナイトの壇上にもあがったタイトル。子供にバーチャルなレゴを与えたかった……といった動機があったそうですが、ものすごくざっ くり言ってしまえば「3D版の『デザエモン』」です。中毒性も同様です。最初はピエロを作ろうとスタートしたのですが、いつの間にか別の方向へ。気づいた ら気味と出来の悪い四足歩行動物が誕生していました。
インディーゲームここにあり。触った瞬間思わず「おおっ」と声を上げてしまうタイトルもいくつかありました。メインストリームでない世界にひっそりと怪物がいるものです。
TGS に参戦した本誌ライター陣によるインプレッションを後日掲載予定です。