『ウィッチャー3』ゲームプレイデザイナーによる戦闘バランス調整Modが公開。没入感を高め、実践向けのスキル・道具を増やす
『ウィッチャー3 ワイルドハント』のシニア・ゲームプレイデザイナーとして知られるCD Projekt REDのAndrzej Kwiatkowski氏が、同作向けの戦闘バランス調整Mod「Immersion and Gameplay Tweaks」をNexusMod上で公開した。Kwiatkowski氏は前作『ウィッチャー2 王の暗殺者』向けの戦闘バランス調整Mod「Full Combat Rebalance 2」を開発した人物でもある。今回のModは、Kwiatkowski氏がゲームを個人的に楽しむ目的で作られていたものであるが、半年以上の開発期間を経て、コミュニティとシェアしたいという思いに至ったとのこと。
「Immersion and Gameplay Tweaks」は戦闘メカニックを抜本的に変えるものではなく、あくまでもバニラ版(Mod未導入の状態)の感触を保ったまま、デザインの裏にあった意図をより的確に反映させるための変更がメインとなっている。設定上違和感のある箇所や、没入感を損なうような要素が取り除かれ、活躍できずにいたスキル・アイテム、一部ビルドが強化される。たとえば、ウィッチャーたるもの衛兵に負けるようではおかしいということで、衛兵キャラのレベルを「プレイヤーより11-13レベル上」から「プレイヤーより0-5レベル上」に変更。またドクロアイコン付きの敵に付与されていたバフ効果が削除される。調整対象は敵に限らず、味方NPC、とくに物語の設定上最も強力であるはずのウィッチャー・魔法使いの攻撃力が強化される。
原作の設定を踏まえた変更点としては、『血塗られた美酒』DLCで追加された変異システムにて覚えられる「変成」の効果(ウィッチャーの感覚は暗い場所でも視界を改善する)を、変異を適用せずとも発動できるよう手が加えられている。原作のウィッチャーは暗闇の中でも目が見えることを鑑みた変更である。原作に由来するものではないが、リアリティという面では、アイテムを盗んだ際の民間人NPCのリアクションが追加される。民間人によってスリを無視する者や、叫び声をあげる者、ひたすら睨みつけてくる者など、さまざまな反応を示すようになる。
そのほかにもスキルツリーのポイント配分変更(各スキルの最大レベル減少。同時に各レベル毎に得られるバフ効果を調整)、錬金術ビルドの強化(爆弾特化も十分実践で使えるようになる)、クエスト報酬で得られるアイテムのレベル向上、装備品の耐久度減少にともなうステータス低下、食べ物アイテムによる回復量減(かわりに持続時間アップ)、セット装備に付随するボーナス効果の内容とバランス変更、ルーン石・刻印の全体的な強化など、戦闘バランスを見直すと同時に実践で使えるビルドや装備の数が増えている。バニラ版で「試したくても弱すぎて使えない」ビルドがあったという方は、本Modの導入を検討してみるのも手だろう。
なおスキルツリーに影響を及ぼすModであることから、Mod適用時にはゲラルドのアビリティはリセットされ、スキルポイントは振り分け前の状態に戻る。ゲームプレイに関与する他Modとの互換性はないが、Kwiatkowski氏自身が活用しているCHC氏の「Nitpicker’s Patch」Mod、wghost81氏の「Friendly HUD」、Wolfmark氏の「All Quest Objectives On Map」Modに関しては併用できるよう考慮されている。