『Star Wars バトルフロント II』膨大な時間を要するキャラクターのアンロック要素が、redditにて歴史的不評を生む。EAは即座に対応
『Star Wars バトルフロント II』の開発を担当するDICEのエグゼクティブ・プロデューサーJohn Wasilczyk氏は11月14日、本作のヒーローのアンロックにかかるコストを引き下げると公式サイトにて発表した。この変更は本日から実施されている。ヒーローとは、マルチプレイで使用できるキャラクター/スターシップのことで、映画「スターウォーズ」に登場したおなじみのキャラクターや戦闘機、また本作のキャンペーンモードの主人公アイデン・ヴェルシオらがラインナップされている。
ヒーローは現時点で全23種類あるなか7種類がロックされており、アンロックして使用可能にするにはゲーム内で獲得できるクレジットを消費する必要がある。たとえば「ルーク・スカイウォーカー」や「ダース・ベイダー」をアンロックするにはこれまで6万クレジット必要だったが、今回の変更後は1万5000クレジットに。そのほか「パルパティーン皇帝」「チューバッカ」「レイア・オーガナ」は1万クレジット、「アイデン・ヴェルシオ」は5000クレジットへと、それぞれ75パーセントオフの大幅コストダウンとなった。
本作の発売を目前にこのような大胆な決断をした理由についてWasilczyk氏は、EA Access/Origin Accessを通じておこなわれている先行トライアルのプレイヤーからのフィードバックを受けたものだとしている。前述のとおりヒーローのアンロックにはゲーム内クレジットが必要で、「スターウォーズ」を代表するキャラクターであるルークやダース・ベイダーにはもっとも高い6万クレジットが設定されていた。クレジットはマルチプレイモードをプレイしたり、キャンペーンモードの進捗、あるいは「敵を??人倒す」などといったゲーム内チャレンジを達成することなどで獲得できる。
そこでコミュニティサイトRedditのユーザーが、マルチプレイのゲームモード「ギャラクティック・アサルト」をどれだけプレイすれば6万クレジット貯まるかを試算したところ、約40時間という結果が出たとして注目を集めた。プレイヤーのパフォーマンスによって多少の増減はあるだろうが、クレジットはゲーム内課金では入手できないので、膨大な時間を費やしてやっとヒーロー1人をアンロックできることになる。
これを受けてEAのコミュニティチームは、現時点でのクレジット獲得率は先月実施されたオープンベータテストの結果から導き出されたもので、さらに調整を加えるべきかどうか常に再評価しているとコメント。そしてこうしたアンロック要素については、「プレイヤーに誇りや達成感を与えるため」であるとした。しかし、フルプライスを支払ったにも関わらず主要キャラクターがロックされていることや、そのアンロックに膨大な時間がかかることなどへのゲーマーの不満は鎮まるどころか増幅する結果となり、このEAの投稿には50万件以上の不評が投じられている(Redditにおける史上最高記録という話も)。
今回のアンロックコストの引き下げは、こうした事態を受けて実施されたものだ。その対応が迅速であったことや、なにより75パーセントオフという大幅ダウンには驚きを持って受け止められている。前出のWasilczyk氏は、良いゲームを作るには常に調整することが大切だとし、今回のような大きな変更でも迅速におこなうことは可能だとコメント。これですべてのプレイヤーにとって、ヒーローを獲得しやすくなったのではないだろうかと語っている。
EAは今月初め、本作のクレートシステムの変更を発表しており、こちらも先行プレイしたプレイヤーからの「Pay-to-win」であるという懸念や批判の声に応えた形だった(関連記事)。こうした声に即座に対応することは素晴らしいが、プレイヤーにとって受け入れ難い仕様を当初提示していたことは事実で、パブリッシャーへの不信感を払拭するにはまだ時間がかかるかもしれない。
『Star Wars バトルフロント II』は、PC/PS4/Xbox One向けに通常版が11月17日発売予定。「デラックスエディション」は本日発売となっている。