『スーパーマリオ オデッセイ』最速を目指すクリア競争が始まる、90分以内にクリアするプレイヤーが続出
今月10月27日にニンテンドースイッチ向け『スーパーマリオ オデッセイ』発売された。発売前からストアのデモ機にてすでにスピードラン(RTA)が始まっていたことを報じたが、そのスピードランは発売直後からさらに盛り上がりを見せている。
発売直後からany%ルール(クリア率を問わない)では2時間半程度でゲームをクリアするプレイヤーが現れていたが、そのタイムは時を追うごとに短縮されていく。10月31日18時現在では、『ゼルダの伝説』シリーズのスピードランでも活躍を見せるアメリカ人プレイヤーIMtendo氏が84分28秒(1時間24分28秒)という記録を叩き出している。Speedrun.comでは、ほかにも3名のプレイヤーが90分以内のクリアを達成している。
IMtendoの1:24:28 Any% WRをwww.twitch.tvから視聴する
どのプレイヤーの動きを見ても、非常に洗練されている。たとえばIMtendo氏のプレイを見てみると、転がりを基本操作としながら、走り幅跳びを駆使。ボディアタックや帽子踏みジャンプを使い、あっという間に各ステージをクリアしていく。さまざまなテクニックを駆使し、うさぎの如く突き進んでいく姿は圧巻だ。ランクインしているどのプレイヤーも「まだタイムを短縮できる」と口を揃えてコメントしているように、今後も記録は更新されていくだろう。ちなみに、モーションコントロールの関係からか、推奨であるJoy-Con二本持ちでプレイするプレイヤーが多いようだ。
『スーパーマリオ オデッセイ』でマリオは「ムーン」を集めるべく世界を旅する。「ムーン」は各ステージに大量に配置されており、それらを集めながら探索していく流れだ。従来の3Dマリオ作品ではステージごとにミッションがあり、そのミッションをクリアするごとで「スター」にあたるアイテムを取得し、ステージから出て新たなミッションに挑戦する形をとっていた。つまり、『スーパーマリオ オデッセイ』はステージに入り直すことなく(スタート地点に戻されることもあるが)「ムーン」を集め続けることができる。また各所にチェックポイントが存在するので、ステージの内の移動もスムーズだ。つまり、これまでのシリーズに比べて、ルートの選択が幅広くなっている。
もちろん、突き詰めていけばルートは狭まっていくだろうが、どこでどのように「ムーン」を集めるかという選択肢はかなり広い。シナリオを進行させるには一定数の「ムーン」を集める必要があるので、テクニックのみならず戦略的な検討の余地も広い。数名のランナーが「ルート選びでさらにタイムを短縮できる」と言っているもその理由だろう。従来の3Dマリオタイトルもスピードランにおいて人気を博していたが、今作は特に人気を集める予感がすでに漂っている。
短時間でゲームをクリアできる一方で、膨大なボリュームを誇るのも『スーパーマリオ オデッセイ』の特徴だ。「ムーン」は800以上用意されており、その数は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の「コログ」の総数に迫る。ほかにも紫コインが無数に配置されており、それらは各ステージに巧みに隠されている。さまざまな仕掛けを利用して広大なステージに隠されたアイテムを探す楽しみが用意されているのだ。『スーパーマリオ オデッセイ』は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』と同様に、最短クリアも長大な冒険も楽しめる一作になっている。