熾烈さ極める『Cuphead』のスピードラン記録は25分台へ、ランナー達は通常プレイにも応用可能なさまざまなテクニックを駆使
『Cuphead』のスピードラン記録が25分台に到達した。本作は9月29日にPC/Xbox One向けに発売された2Dカートゥーンアクションゲーム。発売から2週間強で100万本越えを達成した2017年インディーシーンにおけるヒット作である(関連記事)。一部のステージを除けば、1体あたり1分から2分のボスラッシュが続くゲームであり、極めればクリアまでの時間は大幅にカットできる。10月26日時点での、「Regular、All Bosses」条件での世界記録はThe Mexican Runner氏の25分24秒である(speedrun.com上では未更新)。グリッチの利用はOK、タイムはロード時間を除いたものである。なお「All Bosses Run」と「Any%」との違いは、ラスボスをスキップするか否かである。
※暴言多めにつき注意
発売されて間もない10月4日時点での「All Bosses Run」の最速記録は32分15分であった(関連記事)。それから20日間で約7分近く短縮されたことになる。最大の時短ポイントは、やはり失敗(死亡)回数である。当時はまだ4回5回と死亡しながらの挑戦であったのに対し、現在の記録挑戦は死亡回数「0」が前提となっている。ダメージ覚悟のごり押しをしながらも、ギリギリのライフで踏みとどまるだけのプレイヤースキルが最低条件として必要なのである。
続いて本作におけるスピードランの要となるのは、武器の高速変更。攻撃を発射し続けながら、武器の変更ボタンを連打することで、2種類の武器をほぼ同時に発射できるようになる。こうしてダメージ増によりボス撃破までの時間を短縮できる。操作しやすいよう、キーをリバインドすることも忘れてはならない。コントローラ操作の場合は、連打しやすいボタンに「武器変更」を配置し、必殺技(Ex Shoot)は「武器変更」を連打し続けながら押せる位置に変更。「Ex Shoot」は、「Roundabout」(武器の名称)を装備した状態で放つよう心がけよう(1回の攻撃で複数回のダメージ判定を狙えるため)。あとはボスを最短で倒せるよう、可能なかぎり接近して攻撃を当てることや、「Ex Shoot」を惜しまず使うことで1秒単位でタイムを縮めていく。
「Run & Gun」ステージのうち、1エリア目の「Forest Follies」だけは、コイン獲得のためにクリアする必要がある(武器を購入するため)。ダッシュですばやく先へ進むことはもちろんのこと、後半の足場から足場へと飛び移るセクションでは、ダメージ覚悟で落下し、無敵時間を利用して障害物をすり抜けていく。その後は集めたコインを使って2つの武器(「Lobber」と「Roundabout」)をショップで購入。「Lobber」は中ダメージ・低発射レート、「Roundabout」は中ダメージ・ブーメラン型の武器。序盤で手に入る武器の組み合わせの中では、もっとも効率の良い2つだとされている。
以上が現時点でのスピードランの基本である。ボス個別での主なグリッチ・小技は以下の通り:
・「Beppi The Clown」11:40
1フェーズ目で十分なダメージを与えると、1フェーズ目と2フェーズ目を同時に突破したように判定される。すると2フェーズ目終了直後の状態でボスがフリーズ。あとは一方的に攻撃し続けるだけ。
・「Grim Matchstick」14:20
ドラゴン戦。厄介なのは3フェーズ目だが、2フェーズ目終了後に画面左端に残って攻撃を続行すると、全撃当てられるので速攻で倒せる。
・「Dr. Kahl’s Robot」17:10
1フェーズ目で頭部とボディ2箇所を破壊したのち、ハートが黒みをおびるまでダメージを与え続ける。黒くなったらロケット弾の「Ex Shoot」を近距離で当てる。すると即座にステージ終了となる。
・「Cala Maria」22:00
メデューサ戦。多くのプレイヤーを悩ませたであろう石化攻撃は、ボス本体にギリギリまで接近することで回避可能。死亡リスクを軽減できる。
いずれも再現しやすいグリッチ・小技ばかりなので、スピードランに限らず通常プレイで詰まっている方にとっても参考になるだろう(再現性を確認したのは10月26日時点)。本作は高難度な作品であり、アクションが苦手な方は苦戦するかもしれない。だがスピードランの研究を通じて発見されたグリッチ・小技が、はからずも一部のプレイヤーを救済する手立てとなることもあるのだ。