昏睡状態から目覚めた少年が姉妹を探すアクション『Once Upon a Coma』開発中、奇妙さと切なさが入り交じる世界を彷徨う

まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第485回目は『Once Upon a Coma』を紹介する。『Once Upon a Coma』は横スクロール形式で進行する2Dアクションアドベンチャーゲームだ。タイトルは「かつて昏睡状態であった」と訳せばいいのだろうか。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第485回目は『Once Upon a Coma』を紹介する。

Once Upon a Coma』は横スクロール形式で進行する2Dアクションアドベンチャーゲームだ。タイトルは「かつて昏睡状態であった」と訳せばいいのだろうか。主人公となるPeteが昏睡状態から目覚めると、彼の妹(もしくは姉)は姿を消していた。彼の目覚めた場所は見知らぬ土地でありながら、なぜ住人はPete氏のことを知っていた。

Black Woodの中心からの叫び声、過激な行動を見せる大人たち、Peteの中に眠る記憶の欠片。さまざまなものに翻弄されながら、姉妹の行方を追っていくことになる。ゲーム内には10種類以上の雰囲気の異なるステージが用意されており、Barber’s Blade(理髪師の刃)を持って奇妙な敵たちに立ち向かう。

トレイラーでは草原や民家、森が映されているほか、主人公のPeteは縞々の服を着ていることが確認できる。囚人服にも似たこの服は何かのメタファーなのだろうか。鎌やピアノが意味深に映し出されている点も気になるところ。最後には「Look beyond the doorbell(ドアベルの向こう側を見ろ)」といった意味深なメッセージが表示されており、ストーリーテリングに力が入れられていることがうかがえる。

本作を手がける開発者Thomas Brush氏は、過去にSteamでリリースされたアクションアドベンチャーゲーム『Pinstripe』をリリースしている。同作は、もともと神父であった娘を探すべく地獄におもむく物語が描かれる。かわいらしいタッチながら切なさを感じさせる音楽や演出、主人公の過去と地獄の世界が並行して語られる重層的なシナリオが高い評価を得た。また『Pinstripe』はシンプルながら気持ちのよい操作感を代表としたゲームプレイも好評であった。『Once Upon a Coma』はシナリオ設定やビジュアルも非常に似ており、Brush氏の才能が遺憾なく発揮される作品になりそうだ。

ちなみに本作はBrush氏が無料で公開しているフラッシュゲーム『Coma』を拡張したものになるようなので、気になる方はフラッシュゲームの方を遊んでみてもいいだろう。対応プラットフォームはPC、2018年の発売が予定されている。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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