ゲームやテレビの声優が所属する米労働組合SAG-AFTRA、11か月間にわたるストライキを終了。待遇改善を勝ち取り仕事を再開へ
アメリカの労働組合SAG-AFTRAは9月25日、昨年10月から実施していたゲーム業界に関連するストライキを終了すると発表した。SAG-AFTRAは、ゲームや映画、テレビ産業に携わる声優や俳優などの声を代表する労働組合だ。組合員の待遇に関係するインタラクティブメディア協定の更新に際し、ActivisionやElectronic Artsなど大手ゲームパブリッシャーなど11社と交渉を続けてきたが、合意に至らず対立が続いていた(関連記事)。
SAG-AFTRA側が求めていたのは透明性と二次報酬の2点。透明性というのは、仕事内容について声優や俳優があらかじめ説明を受ける権利のことを指している。二次報酬については一定の合意を見ていたものの、SAG-AFTRA側は発売したゲームなどの売り上げに応じたボーナスを選択できるよう求めていた。そして今回の発表によると、これら2点についてSAG-AFTRA側の要求が受け入れられたとのこと。つまり組合に所属する声優や俳優らは、事前にどのようなパフォーマンスが要求されるのかを理解したうえで仕事を受けるかどうかを判断できるようになり、そして音声の収録やパフォーマンスキャプチャなどのセッション回数に応じた報酬に加えて、追加の報酬を受けることができる新たなボーナス制度を利用できるようになった。
現時点では暫定合意の段階だが、対象11社との仕事を中断していた組合員は、直ちに仕事を再開することができるとSAG-AFTRAは述べている。正式には、10月に開く会議で協定内容について諮ったうえで批准し、発効するとのことだ。今回のストライキについては大作ゲームの声優など多くの著名人からの支持を集めていたが、見事満額回答を得る結果に結びついたようだ。『Life is Strange: Before the Storm』では、前作から登場する演技力の高さが評価されたキャラクターの声優が変更になるなど具体的な影響が出始めていたが、ようやく収束することになる。