最大400人同時対戦のバトルロイヤルを可能にするサバイバルMMO開発中。英国Automatonがクラウドの力で実現
英国のゲームスタジオAutomatonは9月19日、クラウドベースの開発プラットフォームSpatialOSを開発するImprobableと提携し、最大1000人のプレイヤーと世界を共有するサバイバルMMOを開発中である旨を発表した(タイトル未発表)。SpatialOSとCryEngineの技術を用いた12平方kmにおよぶ探索可能でリアリティのある世界、ダイナミックな天候システム、オブジェクト破壊などがアピールポイントとして紹介されており、アクティビティのひとつとして、最大400人対戦のバトルロイヤル・アリーナが存在することが明らかになっている。そのほかプレイヤーの成長システム、ソーシャル・ハブが含まれるとのことだ。
Automatonは2015年に設立されたインディースタジオ(もちろん、弊誌AUTOMATONとは無関係)。MMOジャンルの革新、リブートを目標として掲げており、主要メンバーとしてMMORPG『RuneScape』のAIソフトウェア開発に携わったJames Thompson氏や、『EVE Online』のデザイン・ディレクターを務めたCraig Scott氏など業界ベテランが集っている。2017年3月には実験的な作品として、プレイヤー同士の騙し合いがスリルを呼ぶ非対称ホラーFPS『Deceit』を正式リリースしている。
MMOジャンルの革新を目指すAutomatonがパートナーシップを組んだのが、SpatialOSを開発するImprobable。SpatialOSはサーバのキャパシティやゲームエンジンの性能の限界にとらわれず、大規模なバーチャル世界の設計およびシミュレーションを可能にするクラウドベースの開発プラットフォームである。小さなスタジオであってもリッチで広大な世界をクラウド上で構築できる上に、大人数による同時接続を許容できるという利点があり、Automaton以外にも『Worlds Adrift』のBossa Studios、『Klang』のSeed、『Lazarus』のSpilt Milk Studiosなど複数のスタジオがSpatialOSを用いたゲーム開発に着手している。
そんなImprobableは2017年5月に5億200万ドルの出資を受けることに成功(VentureBeat)。主要出資者にはソフトバンクが含まれているように、SpatialOSの技術はゲームでの使用に限らず、広くバーチャル世界の構築という形にて他分野での応用に期待が寄せられている。なおAutomaton自体も今回のプロジェクトでCambrige Venture Partnersより1000万ドルの出資を受けている。タイトル未発表となる本プロジェクトのリリース時期は2018年で、最初のプレイアブル・コンテンツは来春配信予定となっている。詳細なゲーム内容は年内に発表されるとのことだ。