冷戦時のソ連を痛烈に批判した小説「動物農場」のゲーム化が進行中。革命を起こした動物軍の豚が権力の蜜に染まる物語
ジョージ・オーウェルの小説「動物農場(Animal Farm)」のゲーム化が進行中であることが明らかとなった。作品自体は今年8月17日に正式発表されており、開発チームがあらためて英語圏のメディア向けに情報を伝えている。現時点でプレイ映像やスクリーンショットは公開されていないが、ゲームジャンルは「アドベンチャー・タイクーン」となり、プレイヤーは1匹の動物として「動物農場」の物語に関わっていくことになる。
1945年に出版された「動物農場」は、農場の動物たちによる革命とその後の顛末を記した作品だ。人間たちに不当に扱われていた動物たちは、平等な世界を求めて革命を起こし、彼らを追い出すことに成功。しかし、その革命を指揮した豚たちは徐々に権力の蜜の味に染まっていき、教育をほどこした犬の治安部隊や監視社会をもってしてほかの動物たちを弾圧するようになっていく。気づくとかつての人間と変わらない存在になっていた豚たちへ向けて、動物たちによるあらたな革命の足音が近づいていた。
「動物農場」は冷戦時のソビエト連邦の実情を痛烈に批判した作品とされており、開発チームは絶対的な権力や全体主義への警告は時代を超えて普遍的な意義を持っているとコメント。「力は腐敗する、絶対的な力は間違いなく腐敗する」といったオーウェルの教えなどをプレイヤーへと伝えることをテーマにした作品になるとしている。
なお開発チームは『Surgeon Simulator』などで知られるBossa Studiosの創設メンバーImre Jele氏にはじまり、『Fable』シリーズの開発に参加したGeorg Backer氏、『Dear Esther』『Everybody’s Gone to the Rapture』のコンポーザーJessica Curry氏、『The Witcher 3』の開発にリードパフォーマンスディレクターとして参加したKate Saxon氏など、著名な作品に参加したメンバーらで構成されている。
ゲーム版「動物農場」はPCおよび他プラットフォーム向けにリリース予定。現時点でゲームの詳細はほぼ不明なものの、テーマはユニークかつ開発メンバーも豪華な面々が揃っており、今後の続報に期待したい。