American McGee氏、「アリス」シリーズ新作『Alice: Asylum(仮)』のコンセプト制作を進める。EAに企画提案へ

American McGee氏は、『Alice』シリーズ最新作をElectronic Artsに“提案(proposal)”するため、コンセプト案のプリプロダクションをスタートしたことを明らかにした。

American McGee氏は、『Alice』シリーズ最新作をElectronic Artsに“提案(proposal)”するため、コンセプト案のプリプロダクションをスタートしたことを明らかにした。現時点で『Alice』シリーズの版権を持つEAから正式な承認を受けたわけではなく、「アートワーク、デザインの概要、ビジネスモデル」が完成すれば同社へとプロジェクトを提出する予定だとしている。つまり正式な開発は始まっておらず、McGee氏がEAに企画を承認してもらえるように求めている段階だ。

McGee氏は、2000年にEAからリリースされた『American McGee’s Alice』の開発を指揮したゲームデザイナー。「ふしぎの国のアリス」を原作とする同作は、いびつな精神を持ちながら成長したアリスの心象風景をダークな世界観とともに描き切った作品として知られる。後にMacGee氏がCEOをつとめた「Spicy Horse」が、続編『Alice: Madness Returns』を開発し、2011年にEAがリリース。しかし『Alice』シリーズは同作で途絶え、「Spicy Horse」もさまざまなプロジェクトに関わったのち、2016年に閉鎖されてしまった。

https://twitter.com/americanmcgee/status/904396118552928257

McGee氏はプロジェクト内容を一切明らかにしていないが、仮のタイトル名として最新作を『Alice: Asylum(仮)』と呼んでいる(なお公式ブログには1点の絵が掲載されているが、こちらは今年5月に公開されたファンアート)。公式ブログでは「どれだけの人が『Alice』の新作を欲しているのかEAに見せよう!」と伝えており、正式開発前から同プロジェクトの存在を明らかにすることで、EAにシリーズ最新作の需要を示す狙いがあるようだ。同ページではメーリングリストへの登録に加え、PayPalを通じてプリプロダクションのための支援も受け付けている。

2015年にはIGNのインタビューで新作開発に意欲を見せるなど、以前より『Alice』シリーズの続編に興味を示していたMcGee氏。一方で『Alice』シリーズのIPはEAが完全に管理しており、今年7月に氏は新作を求めるファンに向けてその点を解説する記事を投稿していた。氏は同記事へのアップデートでも『Alice: Asylum(仮)』について触れ、「これがゲームになるかは約束できないけど、ひとまず挑戦してみてるのもいいでしょう?」と伝えている。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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