ゲームのフレームレートを「視ながら」パーツを選択しゲーミングPCが作れるBTOサービス「BLD」米国で展開中

自作PCケースなどで知られるNZXTが、先月からアメリカで新サービス「BLD(ビルド)」を提供開始している。これは希望する各パーツを注文して、それらを組み上げた状態で出荷してくれるというものだ。BLDがユニークなのは、PCに詳しくない人向けのページを用意していること。

自作PCケースなどで知られるNZXTが、先月からアメリカで新サービス「BLD(ビルド)」を提供開始している。これはゲーミングPCのBTOサービス、つまり希望する各パーツを注文して、それらを組み上げた状態で出荷してくれるというものだ。こういったサービス自体は特段珍しいものではないが、BLDがユニークなのは、PCに詳しくない人や「特定のゲームで希望のパフォーマンスを出すためにはどういったパーツが必要になるのか、いちいち調べる時間がない」という人に優しい注文ウェブサイトを用意している点だ。

もう少しバリエーションがあっても良さそうなものだが、後述する独自技術との兼ね合いもあるのだろう。今後増えていくのかもしれない

上の画像はBLDで注文する際に一番最初に表示される画面だ。『Overwatch』や『バイオハザード7 レジデント イービル』など著名タイトルが計18本表示されているが、これから注文するPCでプレイしたいタイトルをこの中から選択する(最大3つまで同時に選択可能)。ゲームタイトルを選択した次は、予算を「1000ドル」「1500ドル」「2000ドル」から一つを選択する。金額はあとで調整できるので、ざっくりと計算して選択するといい。

金額を選択すると、BLDが予算に合ったパーツ構成のおすすめPCを提案してくれるのだが、ここで注目したいのは画面の左側だ。今回は『Overwatch』『バイオハザード7』『League of Legends』を選択してみたのだが、それぞれのタイトルはこのパーツ構成のPCではどのくらいのFPS(フレームレート)で描画されるのか目安を表示してくれるのだ。条件は解像度1080pで、各タイトルの画質設定は最高。NZXTによると、独自の技術を用いて1000万時間以上のゲームプレイを機械学習で解析し、このようにFPSを算出しているという。

右側の画面では数十ドル単位で予算を増減させることができ、それにしたがってパーツ構成が変更され、同時に左画面のFPSの数値も変動していく。表示されるFPSの数値の誤差は10パーセント以内としているが、NZXTはその精度に自信を持っているようで、もし出荷したPCが事前に算出したFPSを達成できなかった場合は全額返金に応じるとしている。

BLDおすすめの構成から、さらに細かくカスタマイズしていくことも可能。ここでの変更もFPS表示に反映される

ゲーミングPCを買い求める際に注目するポイントは人それぞれあるだろうが、「このゲームはどのくらいのパフォーマンスで動くのか?」というのはもっとも分かりやすい要素であり、この点に着目した“おすすめサービス”はBLDの肝となっている。国内でもBTOメーカーが、特定のゲームの動作推奨環境を満たす「推奨PC」を販売しているが、こういった見える化をしている例はあまりない。BLDは現時点ではアメリカ国外への発送をおこなっていないので、日本から注文することはできないが、予算やパーツ構成を変更してFPSの数値を確認することはできるので、ゲーミングPCの購入や自作の参考にしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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