『7 Days to Die』もっとも野心的なアップデート「Alpha 16」配信開始。電力システム、ステルス2.0、高層ビルなど
The Fun Pimps Entertainmentは7月13日、『7 Days to Die』の大型アップデート「Alpha 16」の配信を開始した。本作は2013年12月から早期アクセス販売されているゾンビサバイバルゲーム。プレイヤーは広大なオープンワールドを探索して物資を集め、凶暴化したゾンビの大群が押し寄せる、7日に一度のブラッドムーンの夜に備えて基地を建設する。Steam早期アクセス版の対象プラットフォームはWindows/Mac/Linuxとなっており、海外ではTelltale Gamesがパブリッシングを担当するPlayStation 4/Xbox One版も発売されている(関連記事)。
これまでにも大型アップデートによりゲームのフレームワークを大幅に変更してきた『7 Days to Die』。今回の「Alpha 16」はもっとも野心的で、過去最大規模のアップデートになっているとのこと。その様子は、膨大なテキスト量のパッチノートからも窺える。「Alpha 16」は6月6日よりテスト用ビルドでの検証が開始され、7月13日に正式なアップデートが配信されている。
クラフトおよびベースビルディングシステムへの大きな変更点として、電力システムが導入されている。今後は発電機、継電器、スイッチ、ケーブルなどを繋げることで、より高度な設備を利用できるようになる。ゾンビを引き寄せつつ他プレイヤーに危険を知らせるアラーム用スピーカー、ゾンビの動きを探知するモーションセンサー、自動タレット、電気柵、回転トラップなど、基地の守りを固める上で役立つものばかりだ。そのほかにも建設ブロックの操作改善(例:他ブロックの向きをコピーできるようになった)、ペイントシステムの導入などが含まれている。ペイントブラシを使うことで、ブロックの各側面を128種類のテクスチャに模様替えできる。
戦闘面では、ゾンビのスポーンシステムが刷新された。またゾンビを倒すことで得られる経験値が減るかわりにゾンビの数が増加(ロケーションにつき100体を超えることも)。当たり判定やラグドール演算、腰撃ち時の命中率などが見直された上に、「ステルス 2.0」と呼ばれるステルスシステムのアップデートもなされている。今後はゾンビの種類・個体によって五感の感度が異なり、光源、物音、匂い、距離、プレイヤーの姿勢、動作などによる「感知されやすさ」が変わってくる。新型ゾンビとしてはサラリーマンゾンビ、放射能汚染ゾンビ(時間経過で体力回復)などが新登場し、旧バージョンで登場したアロハシャツゾンビが復活を遂げる。通常とは異なる方則で出現するスリーパーゾンビ(屋内で眠っているため注意しないと不意打ちを食らう)も目玉のひとつ。ゾンビばかりでなく、オオカミ、ヘビ、ハゲワシ(旧バージョンにおける蜂のかわり)といった新たな動物も現れる。
固定マップの「Navezgane」には、南東部の砂漠エリアに「Departure」という過去最大規模の街が追加。そのほかダンジョンのような構造・エナミー配置が特徴の高層ビルなど、30箇所以上のロケーションが加わっている。またレンダリングシステムに変更が加わり、1km以上離れた建物も描写されるようになった。ランダム生成マップに関しても、生成アルゴリズムが改善され、大規模な街が生成されるようになったりと進化を遂げている。ランダム生成マップの「Previewer」機能には、飛行モードが追加されたほか、土地の高度が正しく表示されるようになっており、使いやすくなっている。
そのほかにもレベル・スキルシステムの見直し、大量のバグ修正、フルコントローラサポートなど、「当初のリリースノートは88ページにもおよんだ」と言うだけあって、ボリュームのあるアップデートとなっている。早期アクセス販売開始から3年半が過ぎ、コンソール版の発売を経てもなおアルファ版の運用を続けている『7 Days to Die』。それでもユーザレビューが好評なのは、すでに魅力的なゲーム体験を届けることに成功しているのは勿論のこと、継続的なアップデートにより進化を遂げ、さらに不評を買った新機能は削除して軌道修正するという、デベロッパーの精力的かつ柔軟な姿勢によるところが大きいだろう。