Newニンテンドー3DS、国内生産終了。「きせかえ」を特徴とするも「大きさ」のニーズが高く
任天堂は公式サイトにてNewニンテンドー3DSの生産を終了したことを告知している。Newニンテンドー3DSは国内では2014年10月11日に発売されており、2年9か月を持ってその歴史に幕が降ろされることになる。
Newニンテンドー3DSは、ニンテンドー3DSの実質的な上位互換機となっており、CPU性能が向上し特定のタイトルのパフォーマンスが向上するほか、専用タイトル『ゼノブレイド』がリリースされていた。デバイスの視点でいえば、右スティックに近い役割を担う指圧検知の「Cスティック」、第二のLRボタンである「ZLボタン」「ZRボタン」などが搭載されていた。どの機能もニンテンドー3DSの体験を向上させるうえで歓迎されていたが、Newニンテンドー3DSには兄弟機ともいえるNewニンテンドー3DS LLが同時発売されたことが大きかっただろう。
Newニンテンドー3DS LLは、ニンテンドー3DSよりも20%近く画面サイズが大きく、バッテリーの持ちがより改善されているという特徴があった。その分、Newニンテンドー3DS LLはNewニンテンドー3DSよりも2800円以上定価が高い。こうした価格の差はありながらも、発売当時からNewニンテンドー3DS LLはNewニンテンドー3DSの人気を上回っていた。
Newニンテンドー3DS LLが「大きさ」を特色とする一方、Newニンテンドー3DSは「きせかえ」を特色としていた。本体外側のプレートを外し市販のきせかえプレートと交換することで、自分だけのNewニンテンドー3DSを楽しむことができるという趣旨だ。きせかえプレートは76種類とそれなりに取り揃えられているが、そのうちの54種類のプレートが、同ハードが発売された2014年のもの。2015年に入ると追加されることも少なくなった。きせかえプレートは原則的に任天堂公式が販売するものがメインであり、公式が新たなプレートをなかなか出さない以上、きせかえの魅力に紐付いていたNewニンテンドー3DSの元気がなくなっていったのは自然な流れだろう。
ちなみに任天堂は2005年に発売した、ゲームボーイアドバンスを遊ぶハードゲームボーイミクロでも、外観をカスタマイズできるフェイスプレートを搭載しており、こちらも本体の売上が不振であったこともあり、商業的に成功できなかった。きせかえプレートはある意味では9年越しのリベンジであったが、「大きさ」を優先するユーザーが多かったという結果となった。
今はニンテンドー2DS、Newニンテンドー3DS LL、そして本日発売されたNewニンテンドー2DS LLが販売されており、ニンテンドー3DSタイトルを遊ぶ時の選択肢は幅広い。今回の生産終了はNewニンテンドー2DS LLとのバトンタッチだったといえる。ニンテンドー・オブ・アメリカのレジー・フィザメイ社長は今年4月に「ニンテンドー3DSは重要なプラットフォームで、2017年、そして2018年も3DSを続けていきたい」とThe Vergeに対して語っていたが、2018年にユーザーが引き続きニンテンドー3DSに関心を示しているかは未知数だろう。
今夏は『アライアンス・アライブ』『ラジアントヒストリア パーフェクトクロノロジー』『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』など、意欲的なRPGタイトルがニンテンドー3DSリリースされている。今はそちらを楽しむとしよう。