恐竜サバイバルゲーム『ARK: Survival Evolved』、正式リリースを前に定価が「倍」である約60ドルに上昇
Steamで販売中の早期アクセスタイトル『ARK: Survival Evolved(以下、ARK』の定価が7月6日より59.9ドル(6080円)になっていることがredditなどで話題を呼んでいる。2015年6月3日から早期アクセス販売されている『ARK』の定価は29.99ドル(2980円)。およそ倍に跳ね上がった形だ。DLCである『ARK: Scorched Earth – Expansion Pack』は変わらず別売り19.9ドルで販売されている。
3000円から6000円に
今回の価格の上昇は、8月8日に『ARK』が正式リリースされることが関連していると思われる。Steamストアの早期アクセスの概要欄に「早期アクセス版の価格は、小売価格である正式版と比べると、安く設定されています。」と記述されている。開発元であるStudio Wildcardは事前が予告していたが、それにしても倍額である60ドルへの価格変更にはインパクトがあるだろう。
早期アクセスから正式リリースされる際に定価が上昇するというのは、そう珍しいことではない。『Kerbal Space Program』の定価は、正式リリース時に29.9ドルと39.9ドルへと引き上げてられている。内政型のシミュレーションゲーム『Gnomoria』の定価も、正式リリース時には7.99ドルから14.9ドルに上昇している。最近では『GIGA WRECKER』の定価も、正式リリース時に14.9ドルから19.9ドルに変更されている。
一方で事前に「上昇する可能性がある」と示唆しつつも値上がりしていないケースも多い。早期アクセス初期タイトルである『Starbound』、宇宙ローグライク『EVERSPACE』などは早期アクセス版と正式版の定価は変わっていない。どちらが正解ということはなく、正式リリースするにあたって、どちらの選択肢を選べるというのは、早期アクセスの利点であるともいえる。
『ARK』が批判を受けているのは価格の上昇の大きさだろう。『Gnomoria』も正式リリースにあたって定価が倍額になったが、もともとの価格が7.49ドルであったこと、その価格が遊べる内容よりも安いと評価されており、14.9ドルに上昇した時もそれほど反発は生まれなかった。『ARK』は早期アクセス版の定価が29.9という決して安い額ではなく、さらにそれが倍額となったことがユーザーに衝撃を与えているのだろう。
また、こうした価格の上昇の大きさに見合ったケアをしていなかったことも不満としてあげられている。たとえばオープンワールド型の宇宙RPG『Starpoint Gemini Warlords』は正式リリースにあたって価格を24.9ドルから34.9ドルに引き上げることを、1週間前からSteamニュースにて告知していた。早期アクセスタイトルの価格上昇は前触れなくおこなわれることが多いので、『ARK』だけを責めることはできないが、値上げする幅が大きいだけに、今回の価格改定を不意打ちと感じるユーザーがいても不思議ではない。
また価格改定の背景にパッケージ版の存在があげられるが、同ジャンルである『7 Days to Die』のPS4/Xbox Oneパッケージ版は29.99ドル。こちらはまだ早期アクセスタイトルであるものの、Steam版よりも5ドル高いのみ。『7 Days to Die』がお財布に優しく、パッケージ版にはコストがかかることは否めないが定価が30ドル近く上昇するのは、パッケージの生産コストだけの責任にはできない。
いずれにせよ、今から『ARK』を始めようと思っているプレイヤーはこれまでの倍以上の価格を支払わなければいけないのは間違いない。8月24日にはスパイク・チュンソフトからPS4パッケージ版が発売される予定で、こちらは6800円(税抜き)となっている。海外でのパッケージ版の価格も59.9ドルとなっているので、今回の価格設定はStudio Wildcardの一存なのだろう。Studio Wildcardのパッケージ版重視の戦略はどのような影響を及ぼすだろうか。正式リリース後も、良くも悪くも『ARK』は話題を呼びそうだ。