プレイアブルキャラクターは16人、物語を多角的に見る三人称視点ホラーゲーム『Song of Horror』
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第102回目は、『Song of Horror』を紹介する。現在のインディーホラーゲームは一人称視点作品が主流だが、『Song of Horror』は三人称視点を採用したタイトルだ。合計16人ものプレイアブルキャラクターが本編に登場し、さまざまな視点で物語が描かれる点も特徴となっている。
16人ものプレイアブルキャラクターのうち、本作のメインとなる主人公は「Daniel Noyer(ダニエル・ノイヤー)」なる男だ。かつて広告業界の企業家だったダニエルは、最近はすっかり落ちぶれてしまい、現在は三流の出版社に勤務している。『Song of Horror』の物語は、数週間前から連絡が途絶えている著名な執筆家Sebastian P. Husherと連絡を取るため、ダニエルが彼のマンションを訪れる場面から始まる。
ダニエルの知り合いから見知らぬ者まで、男女16人のキャラクターが『Song of Horror』ではプレイアブルとなる。メインのストーリーはダニエルを中心として展開されるが、サイドキャラクターを通すことで物語を異なる視点から読み解くことができる。ダニエルと並行して誰のストーリーを進めるのかはプレイヤー次第だという。登場するキャラクターはヒーローでもスーパーマンでも無く、どこにでも居るような一般人ばかりだ。
また特徴的なのが、プレイヤーが手動でデータをセーブできず、かつ永久死(Permanent Death)が採用されている点だ。『Song of Horror』はチャプター方式でストーリーが展開され、プレイヤーは各チャプター毎にプレイするキャラクターを選択する。そして操作キャラクターが死亡すると、別の人物を選択することになり、死亡したキャラクターは二度と選択できなくなる(ただし全キャラクターが死亡した場合は、チャプターごとリスタートすることになる)。キャラクターが死亡すると、メインのプロットを見失わない程度に物語に影響が生まれるという。
『サイレン』など、複数のプレイアブルキャラクターが登場するホラーゲームはすでに存在するが、16人もの人物たちが登場する作品はなかなかお目にかかれないだろう。ただもちろん、単純にキャラクターモデルを置き換えたようなゲームプレイでは面白くはなく、どのような仕掛けやメカニックを用意してくるのか、開発のProtocol Gamesの手腕に期待したい。『Song of Horror』はPC/Mac/Linux向けに2016年秋リリース予定だ。