ゲーム開発者がユーザーBANを要請できるシステム「Steam BAN」がSteamに導入へ

米国のゲーム企業Valveは、同社のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて、ゲーム開発者がユーザーをBANできる「Steam BAN」を明らかにした。Valveは「なぜなら誰もチーターとプレイしたくはないから」とコメントしており、オンラインマルチプレイヤー体験を守るためのアンチチート機能と位置づけている。

米国のゲーム企業Valveは、同社のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」にて、ゲーム開発者がユーザーをBANできる「Steam BAN」を明らかにした。Valveは「なぜなら誰もチーターとプレイしたくはないから」とコメントしており、オンラインマルチプレイヤー体験を守るためのアンチチート機能と位置づけている。

Steamには、すでにアンチチートシステム「VAC(Valve Anti-Cheat System)」が存在しており、『Dota 2』といったValve作品や、『Evolve』および『Call of Duty』シリーズなどメジャーなタイトルにも対応している。だが、この「VAC」は自動化されているシステムでもあり、チートを使用しているかはファイル解析のみで判断する。公式FAQにもあるように、たとえ情報提供を受けても、SteamのサポートチームがBANや調査をすることはないのが実情だ。

今回の「Steam BAN」では、ゲーム開発者がValveに要請し、Valve側が承認すれば、対象のゲームにおいてチート使用者にBANが適応される。「VAC」の網の目をくぐり抜ける不届き者はもちろん、『Killing Floor 2』や『PayDay 2』など、「VAC」を使用していないタイトルにおける不正プレイヤーも、Steam側からBANすることができるようになるだろう。

一方でSteamでは、「ゲームBANの適応を決断する責任能力があるのはゲームデベロッパーだけです。Valveはゲームデベロッパーに指示されてゲームBANを遂行するにすぎません」とも説明しており、ゲームBANに関する責任はValveには無いという姿勢が示されている。パーソナリティに問題がある開発者による自己中心的なBANや、外部からキーを購入してゲームをアクティベートするユーザーのBANなども可能性としてはありえるだけに、Valveが開発者の要請をどの程度まで精査するのかは気になるところだ。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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