球体が未知の惑星を旅する『EXO ONE』がKickstarterキャンペーン中。リアルかつ幻想的なビジュアル表現が光る
オーストラリアのインディースタジオExbleativeが『EXO ONE』を開発中。現在Kickstarterでその開発資金を募っている。ExbleativeはJay Weston氏の個人スタジオで、本作の開発も、音楽とコンセプトアート制作以外はUnityを利用して一人でおこなっている。『EXO ONE』は太陽系外の惑星を探索するゲームだというが、よくある探索ゲームとは少々雰囲気が違う。
本作のストーリーの始まりは21世紀初頭、人類は何光年も離れた宇宙からの信号を受信する。信号には地球外生命体による創造物に関する情報が含まれており、人類はそれを作り上げることに成功して“EXO ONE”と名付けた。EXO ONEは乗り物になっており、極秘裏に試運転をおこなっていたところ、テストパイロットが何かの拍子にワームホールを開けてしまい、EXO ONEごと見知らぬ惑星へと飛ばされてしまう。
トレイラーに映る、この球形の物体がEXO ONEだ。EXO ONEにはいくつか特徴があり、まずはその形状が挙げられる。通常は球形で地表を転がって移動できるが、ディスク状に変形させて空を滑空することもできる。そしてもう一つが、EXO ONEにかかる重力の強弱を調節できること。言い換えると、EXO ONEの重量を変化させられる。これらを組み合わせて利用すると、下り斜面で重力を上げて猛スピードで転がり、そしてジャンプ台のような斜面を飛び出すと同時に重量を下げてディスク状になれば、空高く飛翔することができる。プレイヤーはこういったテクニックを駆使して探索を進めるが、EXO ONEにはまだまだ隠された機能があるようだ。
Exbleativeは、2012年に『Unknown Orbit』というモバイルゲームを発売している。起伏の多い小さな惑星の上で球体を転がしたりはねさせたりするアクションゲームで、言わば本作のミニチュア版といえる内容だった。しかし同作がアクションでポイントを稼いだり、アイテムを収集したりといったゲームらしい要素があったのに対して、『EXO ONE』にはチャレンジや時間制限、あるいは敵と戦ったりする要素は存在しないという。では何をするのかというと、プレイヤーは思いの向くままに未知の惑星を旅することだけ。そして時折、この人類にとって初めての太陽系外ミッションでは何が起こり、そしてどのような結末を迎えるのか、遠い未来の歴史家によるナレーションで語られる。
しかし、これといった目標を置かずしてプレイヤーの興味を持続させるのはなかなか困難に思える。その点を本作では、圧倒的な惑星のビジュアル表現でカバーしようとしているようだ。開発者のWeston氏は、3DアーティストやHDRI写真家としての過去の経験を活かして、ダイナミックな光の表現や空気感を持つ非常にリアルで美しい、しかし誰も見たことのない惑星という幻想的な雰囲気を作り出している。惑星は全部で12種類用意されるが、その環境は自動生成で生み出され、プレイヤーによって異なるものになるという。トレイラーでは、地表から突き出た青い光を放つ巨大構造物が確認できるが、この光の中に飛び込むことによって惑星間を移動できるようになっている。惑星の中にはこれ以外にも謎の構造物があり、それを探し出すことで人類にとって新たな発見があるようだ。また、前述したEXO ONEの隠された機能も明らかになるのかもしれない。
『EXO ONE』のKickstarterキャンペーンは本稿執筆時点で残り10日。初期目標金額3万5000オーストラリアドル(約290万円)のところ、およそ1万2000オーストラリアドルが集まっている。キャンペーンが成功した場合、17オーストラリアドル(約1400円)以上の出資で本作を2018年1月に入手できる予定。なお本作はSteam Greenlightに登録され、すでに十分な支持を集めている。Windows向けの発売を予定しているが、コンソール版を含めそのほかのプラットフォームについても、キャンペーンが成功し発売にこぎ着けられた場合は検討したいとのことだ。