PSNは毎日ハッカーから攻撃を受けている 吉田修平氏が現状を説明
先日、MicrosoftスタジオのヘッドPhil Spencer氏がDDoS攻撃に関して言及し、ソニーや任天堂などと協力して対策に乗りだしていることを明らかにした。通常、DDoS攻撃が発生したことやその対策については共有されないものだが、昨年からビデオゲーム関連の企業に対して続くDDoS攻撃は、いまやビジネス関係やハードの垣根を越えた問題となりつつある。
昨年、ソニーのPlayStation Networkは、MicrosoftのXbox LIVEとともにDDoS攻撃を受けた。PSNに対しては、12月にもDDoS攻撃が発生し接続障害が生じたことが確認されているが、攻撃は数カ月おきなどではなく、日々続いているようだ。SCEワールド・ワイド・スタジオの代表取締役会長である吉田修平氏は、海外メディアGame Informerの取材にこたえ、PSNへの攻撃は連日続いていることを明らかにしている。
PSNへのサイバー攻撃は毎日続いている
吉田修平氏は「我々はこの手の攻撃に常に対処している。実際に、攻撃は毎日起きているんだ。文字通り毎日だ。ある日は大規模で、ある日は小規模な時もある」と説明し、規模こそ大小があるものの、連日PSNに対して攻撃が起きていることを明らかにした。「ある日は新しい方法、新しい手段を考案する……まるでイタチごっこだよ。我々にはともに対処するパートナー企業があり、常に攻撃者らが展開するであろう最新の方法を察知している。だから絶え間なく続く戦いだね」。
ビデオゲーム企業へのDDoS攻撃は過去にも例があるが、ここ最近活発になったのは2014年8月からだ。PSNに続きXbox LIVE、さらには『Diablo 3』などのBlizzard Entertainmentが運営するBattle.net、様々な有名オンラインゲームのサーバーがおもに接続障害などの被害を受けた。犯人はいまだ不明だが、「Lizard Squad」なる組織が、みずからがDDoS攻撃を仕掛けたと犯行声明を出している。彼らの主張は"ゲーム企業はDDoS攻撃などへのセキュリティ対策をないがしろにし、私腹を肥やしている"というものだ。
とはいえ、自社製や他社製を問わず、ソフトウェアおよびサーバーには日々新たなアップデートが実施され、針の穴のような"抜け道"が出来てしまう可能性は常につきまとう。これはビデオゲーム業界だけに限った話ではない。今年に入ってもオランダの政府関連サイトがDDoS攻撃の被害を受けたばかりである。
今回の吉田氏の発言を見ても、DDoS攻撃へは根本的な対策が出来ないというのが、業界全体の認識のようだ。『ファンタシー・スター・オンライン2』へDDoS攻撃が発生した件について、セガの木村裕也氏は、常に体制を敷いて新たなDDoS攻撃に後手後手で対策してゆくしかないと過去にコメントしている。