PCゲーム販売サイトGOGの新オーナー、Steamの巨大市場シェア切り崩しに野心燃やす。“毎日何百本も品質の良くないゲームを出す”のは避けるとも

GOG Sp. z o.o.のオーナーとなったMichał Kiciński氏について、海外メディアGamesIndustry.bizがインタビューを実施。同氏はSteamのシェア切り崩しについての野心や、今後のGOG.comの展望を語っている。

PCゲームのデジタル販売プラットフォームGOG.comを運営するGOG Sp. z o.o.(以下、GOG)について、親会社CD PROJEKT Groupの共同設立者であるMichał Kiciński氏が個人で買収したことが昨年12月に発表された。海外メディアGamesIndustry.bizは1月21日、この件について同氏へのインタビューを実施。その中では、競合相手であるSteamについて言及する場面があり注目を集めている。

GOG.comは、クラシックゲームを中心に取り扱う「Good Old Games」として2008年にサービスが開始され、2012年にGOG.comに改称。新作だけでなく、往年のクラシックゲームも豊富にラインナップされ、またDRMフリー(デジタル著作権管理技術なし)で提供されることが大きな特徴となっている。ちなみに、同じグループ内には『サイバーパンク2077』や『ウィッチャー』シリーズの開発元CD PROJEKT REDが存在する。

Michał Kiciński氏は昨年12月、GOGの株式の100%を9070万ポーランドズウォティ(約40億円)で取得。GOGの理念を守りつつ、さらなる発展を目指すために買収したという。独立後もCD PROJEKT Groupとの協力関係は当面維持される(関連記事)。今回の海外メディアGamesIndustry.bizとのインタビューの中で同氏は、市場の80%のシェアを占めるSteamについて、巨大であるがゆえにシェアを維持することは難しく、GOGにとっては市場を奪うチャンスがあるとし、その成長の可能性が買収した主な理由だと明かした。

Kiciński氏はSteamについてGoliath(巨人)だと表現。特にサービスの使いやすさを高く評価し、GOGには改善の余地があると認めている。一方で、Epic GamesやDiscordがPCゲームストアを開設しSteamに挑むも厳しい戦いを強いられてきたが、GOGは発展を続けきたとし、GOGの独自性がユーザーに評価されているとした。

近年GOGは、「GOG Preservation Program」や「GOG Dreamlist」というプログラムを通じてクラシックゲームを復刻させる、“ゲームの保存活動”に積極的に取り組んでいる。たとえば、カプコンの『バイオハザード』シリーズや『ディノクライシス』シリーズなどが、現代のPC環境に最適化された上で復刻リリースされた。

Kiciński氏は、市場で勝ち残るためには何か特定の分野で優位に立つ必要があるとし、GOGの場合はそうしたクラシックゲームの取り扱いにあたり、Steamとは価値観の異なる分野でもあるとした。また、GOGの別の強みとして、厳選したコンテンツのみを提供している点も強調。同氏は、「GOGは毎日何百本ものゲームをリリースするようなことはしない。その95%は素晴らしい品質とは言えないからだ」と説明した。同氏は直接名指ししたわけではないが、Steamを意識した発言とみられる。

ちなみに、GOGは弊誌が以前実施したインタビューの中でも、厳選したコンテンツのみの提供について言及していた。申請されたゲームすべてを取り扱うわけではなく、品質や妥当性、また我々の価値観やユーザーとの整合性に基づいてタイトルを選定しているとのことである。

また今回のインタビューでKiciński氏は、AAAタイトルの販売で他社と競争するつもりはないとし、将来的には小規模メーカーとの連携を深めていく方針だと述べている。また、クラシックゲームの権利を買収し、リマスターして復刻させる活動についても検討しているそうだ。

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Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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