21世紀フォックスがVRコンテンツを扱う新部署FoxNextを発表。自社IPを活かした新規タイトルに期待
21世紀フォックスは、VR/AR技術による次世代エンターテインメントの産出を目的とする新部署FoxNextを発表した。21世紀フォックスはメディア王ルパート・マードック氏が会長を務めるマスメディアの巨大複合企業である。傘下には映画スタジオの20世紀フォックスやFox Networks Groupを置いている。FoxNextはこの2社の監視下に置かれ、自社IPを活用したVRコンテンツのプロダクションを担当する。
FoxNextの責任者にはSalil Mahta氏が選出されている。Mahta氏はThe Walt Disney CompanyやNBCUniversalにて経営幹部経験を積んだ後、2013年に21世紀フォックスへ入社。デジタルメディア部門の責任者や20世紀フォックスのコンテンツ・マネジメントを担当してきた。
VRという観点で見ると、21世紀フォックスはこれまでにFox Innovation Labという部署から映画「The Martian(邦題:オデッセイ)」をベースにしたVR体験コンテンツ「The Martian VR Experience」を送り出してきた。FoxNextはFox Innovation Labの取り組みを引き継ぎながら、さらに長期的な視野を持ってVRコンテンツを育てていく。
今後の予定としては、すでに映画「Alien: Covenant」と「Planet of the Apes(猿の惑星)」をベースにしたVRコンテンツが発表されている。また別途、VRの分野では有名なChris Milk氏が立ち上げたスタートアップ企業Withinと協業したコンテンツ開発が進んでいる(参考記事:Variety)。新たな「Planet of the Apes」関連コンテンツや映画監督Spike Jonze氏(代表作「Her」「マルコヴィッチの穴」等)とともにプロデュースするVR映画が予定されている。
ゲームという観点で見ると、21世紀フォックスは近年モバイルゲーム『The Simpsons: Tapped Out』とPC/コンソール向けタイトル『Alien: Isolation』にて成功を収めてきた。両タイトルのプロダクションに関わった人員は部署別に分散していたが、今後はFoxNextというひとつの部署内に統一される。
VRとゲームに関するノウハウが一箇所に集うFoxNext。シナジー効果による高クオリティなIPタイトルが期待される。なおFoxNextはVR/ARのほかにもテーマパークの展開を担当している。具体的にはマレーシアで開業予定の「20世紀フォックスワールド」が該当する。