敵とお友達になれるRPG『Undertale』 Steam Greenlightに進出

デベロッパーはToby "Radiation" Fox氏。Steam Greenlight掲載後、最新のトレイラーも公開された。本作は2013年5月に正式発表され、7月にはKickstarterでのクラウドファンディングに成功、目標額の約10倍となる5万ドル以上を獲得したタイトルだ。

未来の名作となるかもしれない最前線のインディーゲームをピックアップしてゆく週間連載Indie of the Week。今週は敵と友達になることができるRPG『Undertale』を紹介する。デベロッパーはToby "Radiation" Fox氏。Steam Greenlight掲載後、最新のトレイラーも公開された。本作は2013年5月に正式発表され、7月にはKickstarterでのクラウドファンディングに成功、目標額の約10倍となる5万ドル以上を獲得したタイトルだ。2014年2月には一時的に開発が停滞する事態となったが、2015年内のリリースへ向け、あらためて本格始動する様子を見せている。

 

 


敵と戦わず友達になるRPG

 

魅力的なキャラクターが『Undertale』の魅力。 海外では発売前にも関わらず多数のファンアートも。
魅力的なキャラクターが『Undertale』の魅力。海外では発売前にも関わらず多数のファンアートも。

『Undertale』の世界では、かつて人間とモンスターたちが平和に共存していた。しかしある日、両種族のあいだで戦争が勃発し、長きにわたる戦いのすえ、人間側が勝利した。現在では、戦争に勝利した人間が地上に住み、敗北したモンスターたちが地下世界でひそかに暮らしている。201X年、主人公である青年が帰らずの山「Ebott」に入り込み、穴から地底世界に迷い込んでしまうシーンから物語は始まる。

海外メディアが紹介するなかで、『Undertale』は特に『MOTHER』シリーズのようなオールドクラシックなJRPGとたびたび比較される。シンプルなコマンド選択方式とシューティングを融合させたような戦闘、ゲーム中に登場するパズル要素、ユーモアに重きを置いたストーリーが本作の根幹だ。特に戦闘シーンでは、敵を倒さずとも"説得する"ことができるシステムが採用されている。ゲームは敵と一切戦わずにクリアすることが可能で、各エリアに登場するボスとはすべて友達になることができる。

また戦闘での行動結果は、いわゆる"ちから"や"すばやさ"のようなパラメータ数値ではなく、シューティングミニゲームによって決定する。攻撃を受けるたび、画面上にはボックスエリアが表示され、このなかで敵の攻撃をすべて回避すれば、ダメージは受けなかったことになる。

2013年から公開されている体験版をプレイすれば、すぐに愛らしいキャラクターたちに魅了されてしまうだろう。エリア1の番人である、角の生えたTorielはまるで母親のように主人公のことが気になって仕方がない。青年の冒険を柱の陰から見守ったり、シナモンとバタースコッチどちらが好きなのか問い詰めたりするのだ。ほかにも腹黒いFlowerなど、思わず微笑んでしまうようなキャラクターたちがプレイヤーを待ち受ける。

『Undertale』は2015年にリリース予定だ。明確な発売時期は明らかにされていないが、体験版をプレイして待ちきれなくなったユーザーは、先に公開されているサウンドトラックに聞き入るといいだろう。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728