ボス戦をボスの視点からプレイする2Dアクション『Nefarious』1月にSteamで配信へ。5人の姫を誘拐せよ

ヒーローではなくボスを操作する横スクロールアクション『Nefarious』の最新トレイラーが公開された。さらわれてばかりのお姫様を助けにいくのではなく、たまには誘拐する側に立ちたいと思ったことはないだろうか。本作はそんな倒錯した欲望を叶えてくれる。

ヒーローではなくボスを操作する横スクロールアクション『Nefarious』の最新トレイラーが公開された。さらわれてばかりのお姫様を助けにいくのではなく、たまには誘拐する側に立ちたいと思ったことはないだろうか。本作はそんな倒錯した欲望を叶えてくれる。

プレイヤーは悪の親玉クロウとして、5つの王国のプリンセスを誘拐していく。姫を助けにくるヒーローなんて倒してしまえと、ヒーローではなく姫とボスとのコミュニケーションに焦点が当てられた本作では、プリンセス誘拐モノのお約束を破っていくコメディタッチなストーリーが待っている。誘拐された後で姫の身に何が起きているのかを含め、姫と悪党を中心に描く作品は稀だろう。

クロウの趣味はかよわい乙女を困らせること。悪党にふさわしいサディスティックな野郎だ。クロウは悪役のプロとしてのプライドが強く、統制のとれた組織の親方として君臨している。持続的な組織運営を可能とするためには優秀な部下の存在が欠かせない。本作ではHR部担当のデキるビジネスウーマン「ベッキー」がその役割を担っている。クロウと姫の会話だけでなく、冷静なツッコミを入れる「ベッキー」とのやりとりにも注目したい。

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ボスを操作するアイデア自体は新しいものではなく、「Boss Monster」というカードゲームおよび同名のPCゲームが存在する。『Nefarious』のユニークな点は、ゲームプレイも含めてクラシックな横スクロールアクションのオマージュとしていることだろう。なかでもトレイラー動画の冒頭で映像が使われている『ロックマン』『メトロイド』『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズからの影響が強い。横スクロールアクションだけでなく、初期『Final Fantasy』風のターン制RPGバトルも変化球として含まれている。

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ひたすらボス戦ばかりが続くのではなく、お姫様を誘拐する過程を通常ステージとして描いている。横スクロールアクションというと主人公がパワーアップを入手することで特殊スキルを増やしていくパターンが多いが、本作はパワーアップの方法をひねっている。クロウ自身が新しいスキルを覚えるのではなく、姫を誘拐して肩に抱えることによって特殊効果が発動するのだ。羽の生えた姫ならジャンプ力が高まり、エネルギー体の姫なら近寄るだけで主人公の武器がチャージされる。逆に気の強い姫を抱えるとマイナスの効果が発生するという。

クロウ自身はパワーグローブを使った近接攻撃と、グローブに装着されたグレネードランチャーによる遠距離攻撃が可能だ。弾薬の種類は複数用意されている。このあたりはオーソドックスな横スクロールアクションのパワーアップ要素といえる。自分が撃ったグレネードの爆風を使って空高く飛ぶこともできる。

『Nefarious』はフリーランスのアニメーターJosh Hano氏とソフトウェア・エンジニアのJameson Quave氏を中心とした小さな開発チームが手がけている。対象プラットフォームはPC/Mac/Linux。1月23日からSteamでの早期アクセスを開始する。早期アクセスではあるがコンテンツはほとんど完成しており、マルチエンドまで実装された状態で公開されるという。あくまでバグやバランス調整のための早期アクセスということだ。販売価格は14.99ドル。公開時にはプロモーション用のセールを予定している。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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