WWI的な動物の革命戦争をコミカルな2Dドットで描くストラテジーゲーム『Tooth and Tail』が開発中、コントローラでも遊べるRTS

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第363回目は『Tooth and Tail』を紹介する。本作は動物たちによる第一次世界大戦的な革命戦争をテーマにしたリアルタイム型のストラテジーゲーム。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第363回目は『Tooth and Tail』を紹介する。本作は動物たちによる第一次世界大戦的な革命戦争をテーマにしたリアルタイム型のストラテジーゲーム。開発はステルス2Dアクションゲーム『Monaco』のPcoketwatch Gamesが担当しており、童話的でコミカルな2Dドットビジュアルだけでなく、ゲームプレイのクオリティにも期待できそうだ。

『Toothe and Tail』は初代『Comand and Conquer』のようなクラシカルな対戦型RTSを目指している作品だ。プレイヤーはマップ上に風車型の拠点(Mill)を建て、拠点周辺で生産した食料を消費してユニットを確保し、敵軍の拠点をすべて破壊することを目指す。

RTSと聞くと戦場全体を見渡してせわしなく指を動かさなければならないと考える読者もいるかもしれないが、本作はユニットの操作量や指さばきよりも戦略性に重きを置いている。そんな方向性を如実に感じさせる本作最大の特徴が、プレイヤーが操作できるのは1匹の指揮官のみというデザイン。ユニットを敵の拠点へ進行させるにしろ、新たな拠点や建物を立てるにしろ、指揮官みずからが前線で立って行動する必要がある。ゆえに操作形態も非常にシンプルで、ゲーム中で使用するキー数は少なく、コントローラで遊ぶこともできる。

シンプルな操作形態。指揮官はみずから敵陣の偵察へ向かうことも可能。戦闘能力は持たないため攻撃されると逃げるしかないが、「Burrow」という能力ですぐに拠点へ戻ることもできる
シンプルな操作形態。指揮官はみずから敵陣の偵察へ向かうことも可能。戦闘能力は持たないため攻撃されると逃げるしかないが、「Burrow」という能力ですぐに拠点へ戻ることもできる
派閥ごとにユニットは固定されておらず、プレイヤーはゲーム開始前に複数の区分から6種類のユニットを選択して自軍の構成を決定することができる。イノシシの火炎放射器兵にマスタードガスを装備したスカンクなど、ユニットはいずれもユニークで魅力的
派閥ごとにユニットは固定されておらず、プレイヤーはゲーム開始前に複数の区分から6種類のユニットを選択して自軍の構成を決定することができる。イノシシの火炎放射器兵にマスタードガス弾を装備したスカンクなど、ユニットはいずれもユニークで魅力的

全軍を指揮するのではなく操作キャラクターが1人だけのRTSといえば、近年では『ヘルツォーク・ツヴァイ』にインスパイアされた『AirMech Arena』などが存在するが、『Tooth and Tail』はより従来のRTSに近いデザインの作品だと感じる。この指揮官を操作して軍隊を率いるタイプのRTSは、1人のヒーロー/チャンピオンを操作するだけでいいMOBA人気が続いている昨今、今後可能性のあるジャンルの1つとなるかもしれない。

なお本作は最大4人で戦えるオンラインおよび画面分割での対戦モード、さらにはストーリーモードを搭載予定。開発陣はe-Sportsシーンにも匹敵するような競技性を求めているようで、現在は2年から3年にわたる長期のアルファテストを実施している。ゲームをプレイしたい読者は開発チームの告知を見逃さないようにしておこう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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