The Game Awards 2025の視聴回数は「推計1億7100万回」に到達。毎年右肩上がりで、10年前の74倍に

年末恒例の大型ゲームイベント「The Game Awards 2025」は、視聴規模の面で過去最大を更新する結果となったという。

年末恒例の大型ゲームイベント「The Game Awards 2025」は、視聴規模の面でも過去最大を更新する結果となった。主催を務めるGeoff Keighley氏がX(旧Twitter)上で明かしたところによると、本イベントはグローバルで推計1億7100万回以上のライブ視聴を記録。前年から11%増となり、「The Game Awards史上、最も視聴された年」になったという。

The Game Awardsはその年を代表するゲームを表彰するアワードイベントであると同時に、世界初公開の新作トレイラーや大型アップデート情報が披露される「発表の場」としても存在感を高めてきた。実際、2024年の約1億5400万回、2023年の約1億1800万回から右肩上がりで成長を続け、2020年の約8300万回と比較すると、5年間で視聴規模が大きく拡大していることがわかる。なお10年前にあたるThe Game Awards 2015の視聴回数は約230万回と推計されており、74倍もの視聴回数増加となっている(The Game Awards公式ニュース)。

こうした視聴規模の拡大を支えている要因のひとつが、配信プラットフォームの多様化だ。The Game Awards 2025はYouTubeやTwitchに加え、中国ではBilibiliなど複数の動画配信サービスで同時配信がおこなわれた。とくに中国市場では、これまで以上に多くのプラットフォームで展開されたことが視聴増につながったとみられる(関連記事)。なお今回の発表された数値には、2025年に初めて配信がおこなわれたAmazon Prime Videoでの視聴分は含まれていないとされており、実際の到達規模はさらに大きい可能性もある。

Game of the Yearを獲得した『Clair Obscur:Expedition33』

また、ライブ視聴だけでなく「盛り上がり方」にも変化が見られる。Keighley氏によれば、X上でのThe Game Awards関連の投稿数は前年比12%増となり、TwitchおよびYouTubeにおける公式・非公式の同時視聴配信、いわゆるコストリームは約2万3000件に達したという。これは前年から50%増という大幅な伸びであり、イベントを「見る」だけでなく、配信者やコミュニティと一緒に楽しむ文化が定着しつつあることを示している。

一方で、こうしたグローバル規模での注目度の高まりは、イベント内でトレイラーを放映するための費用にも反映されているようだ。海外メディアKotakuの報道によれば、The Game Awards 2025では1分のトレイラー放映に最大45万ドル(約7000万円)、3分では100万ドル(1億5000万円)以上が必要になるとされている(関連記事)。過去にも高額であることは知られていたが、近年の視聴数増加や配信規模の拡大を背景に、より高い水準に達している可能性が指摘されている。

こうした状況を踏まえ、近年ではThe Game AwardsやSummer Game Festといった巨大イベントとは別に、各メーカーが独自のオンラインショーケースを開催したり、インディーゲーム向けの専門イベントが立ち上がったりと、「発表の場」の多様化も進んでいる。莫大な広告費を投じられる大作タイトルを中心に紹介する場がある一方で、規模や目的に応じた棲み分けが進行しているとも言えるだろう。

それでもなお、視聴回数を見る限りではThe Game Awardsが持つ影響力は年々拡大している。推計1億7100万回という視聴規模は、北米最大級のスポーツイベントと比較されるほどの水準に達しており、ゲーム業界における「年末最大の祭典」として国際的な注目度をいっそう高めているようだ。

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Motoharu Ono
Motoharu Ono

隠れた名作に目がない一方で、話題作にもすぐ手を伸ばすミーハー気質のゲーマー。『ゴースト・オブ・ツシマ』では本編よりもマルチプレイにハマり、アーマードコアの新作を心待ちにしている。

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