ライトで照らして影の世界を操作する2Dパズル『Night Lights』が開発中。無料デモ版あり

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第361回目は『Night Lights』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第361回目は『Night Lights』を紹介する。

本作は「光と影」を題材にした2Dパズルゲームである。頭に電球をつけた操作キャラクターが旅するのは、寒色で統一された影の世界。サーチライトの光に照らされた場所だけが、暖かみのあるオレンジ色に輝く。影の世界で見えている足場やオブジェクトの一部は、光を当てることで消えてしまう。まるで別次元の世界が映し出されているようだ。この性質を活かし、高地の足場にサーチライトを当てることでアイテムを落下させたり、ライトを建物に向けることで壁を消すことができる。

光の操作が本作のレベルデザインの中心となっている。光源はサーチライトだけではない。操作キャラクターの頭についた電球も活用できる。光源以外にもボックス、スイッチ、ハシゴといったオブジェクトを利用しながらパズルを解いていく。そして各ステージに配置されたクリスタルを集めることで特殊な装置や次のステージに移るためのポータルを作動させる。デモ版をプレイした限りではプラットフォームアクション要素はなく、純粋なパズルゲームとなるようだ。

『Night Lights』はロシア・モスクワ在住のArtem Cheranev氏による個人開発タイトルである。プログラミングから楽曲まですべてをCheranev氏が一人でこなしている。氏はこれまでに複数のブラウザゲームを公開しており、『Night Lights』という同名の無料ブラウザゲームもポータルサイトのNewgroundsにてリリースしている。現在開発を進めているのは、ビジュアル・サウンド・レベルデザインのすべてにおいてポリッシュされた新生『Night Lights』である。

光と影のメカニズムを使ったパズルゲームというのは珍しくない。過去には『Contrast』や『One Upon Light』といったタイトルが光と影を操るユニークなパズルを生み出してきた。最近では学生プロジェクトの『Lost Shadows』が「光の中でだけ幽霊が襲ってくる」という設定のホラーパズルを編み出した。このように光と影を題材としたパズルゲームは多いが、まだやり尽くされたわけではない。パズルゲームの開発歴が長いCheranev氏ならではの、新鮮味のあるパズルに期待したい。

Cheranev氏は『Night Lights』の開発に専念できるよう、Indiegogoにてクラウドファンディング・キャンペーンを実施している。目標資金額は2万ドル(約230万円)。目標資金額に達しなかった場合も開発は続ける模様だ。ただしプロジェクトにあてられる時間が減るため、リリース時期は遅れてしまう(現時点でのリリース目標は2018年9月)。対象プラットフォームはWindows/Mac/Linuxであり、Steam/GOG.comでの販売を予定している。Steam Greenlightプログラムにも登録済みだ。デモ版はitch.io/Game Joltより無料でダウンロード可能となっている。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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