ひそかに姿を消す海外の版権ビデオゲームたち
UPDATE[2015/1/8 15:30]: Steamにて『Aliens: Colonial Marines』および『Aliens vs. Predator』の販売が再開されています。Valveおよび米セガからの発表は現時点でありません。オリジナルの文章は以下の通り。
セガは、Steamにおける『Aliens: Colonial Marines』および『Aliens vs. Predator』の販売を2014年12月末日に停止した。Redditのユーザーが報告したことで明らかとなったもので、Polygonが追って報じている。現時点でセガや開発スタジオからの発表はない。
Polygonによれば、『Aliens: Colonial Marines』はGreen Man GamingやAmazonにて購入可能であり、Steam上でコードを使用することでも入手できる。『Aliens vs. Predator』はGreen Man Gamingからすでに削除されている。両作とも、家庭用ハード版はPSN StoreやXBLAから購入可能だ。Rebellionがパブリッシングしている『Aliens vs. Predator Classic 2000』や、昨年発売された新作『Alien: Isolation』は、現在もSteamから入手できる。
予告なしの販売停止
版権ゲームが突如Steamなどで購入できなくなることは、いまに始まったことではない。2012年11月には、カプコンの上級副社長Christian Svensson氏がタツノコプロとの権利失効を明らかにし、『タツノコ VS. CAPCOM UAS』を販売できなくなったと発言した。2013年初頭には、発売から数か月しか経っていない『007 Legends』もふくめ、Activisionの「007」ゲームが一斉にSteamから購入できなくなった。同社はMARVELのゲームも多数扱っており、2013年12月には『Deadpool』や『Spider-Man』などのゲームが各ストアから姿を消した。人気のキャラクターやコンテンツを借りて開発する版権ゲームは、権利元との契約次第でこういった事態が発生する可能性がある。
権利元とパブリッシャーが、版権ゲームの契約内容をユーザーに示す義理はない。契約金の動きなどを白日のもとに晒す必要もない。しかし、なぜ販売停止を先に告知しないのだろうか。彼らは沈黙を貫き通すか、問い合わせが集中してようやく重い腰をあげる。2013年12月には、海外カプコンが『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』と『MARVEL VS. CAPCOM 2』の販売停止を発表し、直前には値引きセールも実行した。セールの決定権は各社にあるが、ビデオゲーム販売終了の際の最善手はこの形と言える。
出来が悪い新作ゲームに道連れにされる旧作
版権ゲームの寿命を予測することは難しい。特に今回のセガの『エイリアン』ゲームや、Activisionの「007」ゲームやMARVELゲームのように、複数のタイトルの販売が一度に打ち切られることがある。また、ここ数年の傾向を見ると出来の悪い新作の登場が1つのトリガーになっている可能性がある。
『Aliens: Colonial Marines』は2013年2月発売であり、2年も経たないうちにSteamから姿を消したことになる。同作はE3時に展示していたデモと販売したゲーム内容が異なると批判を浴び、ゲーム自体も低い評価を受けた。この批判は集団訴訟にまで発展し、セガは早々に白旗を挙げ125万ドルの和解金を支払っている。セガにとっては出来が悪いだけではなく、忌まわしいと呼べるレベルの作品だろう。昨年発売の新作『Alien: Isolation』は逃れたが、2010年発売の『Aliens vs. Predator』は道連れとなった。
「007」シリーズの総決算として期待値を高めていた『007 Legends』は、みずから上げすぎたハードルを超えられず、低評価を浴びた。『Deadpool』は決して悪いゲームではなかったが、開発スタジオHigh Moon Studiosが過去に『Transformer』シリーズで受けたような好評価を得るにはいたらなかった。どちらもついでと言わんばかりに、他タイトルとともに販売が停止されている。
とはいえ、ユーザーがこれらのタイトルの販売停止時期を予想するなど不可能だ。不出来な新作と販売から数年経ったタイトルの売上が、版権元に支払うライセンス料に見合うかどうか。それは販売会社が決定すべきことだ。だが販売を停止する前に一言あれば、少なからずユーザーの利益となるだろう。