『アサシン クリード シャドウズ』のSwitch 2移植版は「携帯モードも30fpsで安定動作」。徹底調整と“専用アルゴリズム”で、こだわり最適化
Ubisoftは11月28日、『アサシン クリード シャドウズ』のNintendo Switch 2版の開発秘話を公式サイトにて公開。30fpsでの安定動作を実現した工夫などが語られている。

Ubisoftは11月28日、『アサシン クリード シャドウズ』のNintendo Switch 2版の開発秘話を公式サイトにて公開した。移植開発における技術的な工夫などが語られている。本作は12月2日に発売予定。
本作は、戦国時代の日本を舞台にするオープンワールド・アクションアドベンチャーゲームだ。伊賀出身の忍かつアサシンである奈緒江と、アフリカ出身の一騎当千の兵である弥助の2人を主人公とし、ステルスとパワーという対照的なアプローチを通じて、新たな時代を目前にした大いなる戦いの行方に深く関わっていく。
『アサシン クリード シャドウズ』は、PC/PS5/Xbox Series X|S版が今年3月に先行して発売。Nintendo Switch 2版は、その後配信されたすべてのアップデートを導入した状態で移植されている。また、メニューやマップの操作、隠れ家の建設などはタッチ操作に対応。なお、Ubisoft Connectを通じたクロスプログレッションに対応し、他機種版での進行状況を引き継いでプレイすることも可能だ。
今回公開された公式ブログにて、開発元Ubisoft QuébecのテクニカルグラフィックディレクターYannick Morel氏と、プロジェクトリードプログラマーBruno Champoux氏は、広大かつディテールにこだわったオープンワールドゲームである本作をNintendo Switch 2向けに移植することは、これまででもっとも困難な挑戦だったと振り返っている。チームの方針としては、美しいビジュアルを保つことを最優先にしながら、TVモード・携帯モードともに30fpsでの動作を実現することだったという。

ビジュアルの美しさを維持するにあたっては、Nintendo Switch 2にあわせた最適化がさまざま実施された。例として、クラウド(雲)およびクロス(布)のシミュレーションシステムは既存バージョンと共通だが、Nintendo Switch 2が搭載するARMプロセッサ向けの最適化を実施し、シミュレーションデータの縮小によりGPU負荷を軽減して、ビジュアルの忠実度を維持したことが紹介されている。
また、Nintendo Switch 2はレイトレーシングをサポートしているが、メモリを節約するために使用せず、代わりにあらかじめベイクしたグローバルイルミネーションを採用。これは、低スペックPCやXbox Series S向けにも取り入れていた工夫だそうだ。
このほか、LOD(Level of Detail)や描画距離、テクスチャの解像度、各種要素のローディングなどを、品質とパフォーマンスを監視しながら細かく調整したという。また人が密集しているエリアでは、一部NPCの人数を削減しているとのこと。

30fpsで安定して動作させる点に関しては、特に携帯モード向けにはGPU負荷を下げるために、LODや描画距離、画質をさらに調整したとのこと。さらに、通常40fps以上でしか機能しないVRR(Variable Refresh Rate・可変リフレッシュレート)を活用するために、専用のアルゴリズムを開発したそうだ。
また、超解像技術であるDLSS(Deep Learning Super Sampling)も採用された。AIを活用したアップスケーリングにより、ビジュアルの品質を維持しながらパフォーマンスを向上させる技術である。本作では、フレームレートの向上やパフォーマンスの安定化、遅延の低減などに役立ったという。
『アサシン クリード シャドウズ』のNintendo Switch 2版は12月2日発売予定だ。また、PC(Steam/Epic Gamesストア/Ubisoft Store/App Store)/PS5/Xbox Series X|S版は現在発売中である。




