マイクロソフトの人気フライトシム『Microsoft Flight Simulator』の技術が、なんと大手ボーイング社のパイロット訓練用ツールに採用。“リアルなコクピット内”を本職が学ぶ

大手航空機メーカー・ボーイングは11月6日、航空機トレーニングツール「Virtual Airplane Procedures Trainer」を発表した。フライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』などの技術が取り入れられているという。

アメリカの大手航空機メーカーBoeing(ボーイング)は11月6日、航空機トレーニングツール「Virtual Airplane Procedures Trainer」を発表した。同ツールはマイクロソフトによって開発され、なんとフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』などの技術が取り入れられているという。

『Microsoft Flight Simulator』は、マイクロソフトから展開されているフライトシムシリーズだ。現時点での最新作は『Microsoft Flight Simulator 2024』で、精巧に再現された実在メーカーの各種航空機を操縦可能。また、マイクロソフトのクラウドサービスAzureやAzure AI、Bing Mapsと連携し、地球上の環境がリアルに再現された中を運行できる点も特徴となっている。

今回Boeingが発表した「Virtual Airplane Procedures Trainer」は航空機パイロットの訓練用ツールで、正確には「Virtual Airplane」という新製品向けの最初のアプリケーションとして「Procedures Trainer」が披露された格好になる。パイロットは本格的なフライトシミュレーターを使って訓練をおこなうが、いつでも利用できるわけではなく、また現役パイロットであれば多忙な勤務との兼ね合いもある。そこで、シミュレーターでの訓練前にあらかじめ習熟度を高めておくことを目的に、同ツールが開発された。

そして同ツールには、マイクロソフトのフライトシミュレーションゲーム『Microsoft Flight Simulator』の技術が搭載され、クラウドサービスAzureも活用するという。公式サイトによると、ゲームをプレイして飛行訓練をおこなうわけではなく、主にコクピット内の計器類の扱いなどを学ぶ内容になる模様。その再現された特定の航空機のコクピットや計器類に、『Microsoft Flight Simulator』にて開発された技術が活かされているのだろう。トレーニングの内容はカスタマイズ可能で、PCやiPadから各トレーニングにアクセスし、オンラインあるいはオフラインで利用するかたちになる。

「Virtual Airplane Procedures Trainer」は、旅客機Boeing 737 MAXに対応して2026年にリリース予定で、その後Boeingのほかの航空機にも対応していく計画だそうだ。今回の発表に際しマイクロソフトの製造・モビリティ担当コーポレートバイスプレジデントDayan Rodriguez氏は、Boeingとの提携によって航空業界の中核を担う人々を支援し、その未来を前進させていくとコメントしている。

なお、『Microsoft Flight Simulator 2024』はPC(Steam/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに現在発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。また、PS5版が12月8日に発売予定だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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