龍が如くスタジオの新作『STRANGER THAN HEAVEN』に突如浮上した「女性シンガー＝悦子おばちゃん説」、本当かどうか横山昌義氏に訊いた。違った

セガは6月7日、『STRANGER THAN HEAVEN』の2ndティザートレイラーを発表した。本作は、龍が如くスタジオが開発中のタイトルでティザーサイトなどもなく、現状はふたつのトレイラーのみがおもな情報となっており、どんな作品になるのか今のところは謎に包まれている。

それにも関わらず、YouTubeのコメント欄やSNSではトレイラーからどんなゲームなのか、『龍が如く』と関係性があるのかといった考察がおこなわれている。その考察のひとつとして、2ndティザートレイラーに登場する女性が、『龍が如く』シリーズに登場してきた名物キャラ「悦子」ではないかという憶測も囁かれている。しかし今回、龍が如くスタジオ代表である横山昌義氏は弊誌のインタビューの中で、女性は悦子ではないと明言した。

『STRANGER THAN HEAVEN』は、龍が如くスタジオが開発中のゲームだ。現在はふたつのティザートレイラーが公開中で、1stティザートレイラーでは1915年、2ndトレイラーでは1943年の日本と思われる舞台が描かれている。大正と昭和、ふたつの時代が舞台のゲームとなるのかもしれない。

すなわち、本作は『龍が如く』シリーズから見て過去の日本が描かれる作品となる見込みである。現状では世界観が共通するかどうかも不明ながら、SNSおよびYouTubeのコメント欄などで同シリーズと『STRANGER THAN HEAVEN』の関係性を考察するファンも存在。たとえば、時代考証やトレイラーに移された街並みがどこの土地なのか、主人公と思しき大東マコなる人物が何者なのかなど、ふたつ合わせても4分に満たないティザートレイラーから、さまざまな考察がおこなわれている。

その考察の中に、2ndティザートレイラーに登場するステージ上で歌う女性シンガーが「悦子」の若い頃ではないかという考えが存在している。

悦子とは、『龍が如く』シリーズに登場するサブキャラクター。『龍が如く０誓いの場所』にて初登場し、『龍が如く極２』『龍が如く7外伝名を消した男』などにも登場。いわゆる大阪のおばちゃん的な性格付けのキャラクターとして描かれている。基本的にサブクエストに登場する人物であり、強烈な見た目と性格で、一目見るだけで忘れられない人物だ。

女性シンガーが悦子であるという考察の根拠に挙げられているのは、まず、2ndティザートレイラーの舞台が『龍が如く』シリーズの舞台のひとつである大阪の蒼天堀らしき場所であるということ。それと悦子はカラオケが得意な一面があり、そんな繋がりから“女性シンガー＝悦子説”が囁かれているわけだ。

なお公式カレンダーサイト「DRAGON CALENDER」では、悦子の生年月日が明かされている。同サイトでは『龍が如く』シリーズの今後の予定のほか、作中にまつわる記念日などが記録されており、カレンダー内では悦子は1926年8月30日生まれであると記載。『STRANGER THAN HEAVEN』のトレイラーの舞台となる1943年では悦子は17歳となる。女性シンガーはかなり大人びて見えるほか、パブのような店で歌手を務めている点でも年齢にそぐわないかもしれない。

それでも女性シンガーが悦子ではないという確証とはならない。そこで弊誌は、「東京ゲームショウ2025」にて横山氏ら龍が如くスタジオのコアメンバーに『龍が如く極３/龍が如く3外伝 Dark Ties』に関するインタビューを敢行した（弊誌インタビュー記事1、弊誌インタビュー記事2）。その際、横山氏は『STRANGER THAN HEAVEN』のことにも触れ、“女性シンガー＝悦子説”が「RGG SUMMIT」のコメント欄で語られていたことについて言及した。同氏によると「まったく悦子ではない」とのこと。ここに“女性シンガー＝悦子説”は、一点の曇りもなく否定された。これによって、悦子の若い頃の姿はふたたびプレイヤーの想像に委ねられたといえるかもしれない。

『STRANGER THAN HEAVEN』は現在開発中。なお、本作は今のところ、『龍が如く』シリーズと繋がりがあるのか明確には明らかになっていない。引き続き新たな情報の発表にも期待したい。

【UPDATE 2025/10/21 12:10】
悦子の年齢について加筆・修正

Koutaro Sato