約500円ローポリ山村お掃除ゲーム『Back to Hearth』好評率100%の好発進。切なさと温かみ入り混じる、廃村復興ストーリー

Podoba Interactiveは9月26日、ウクライナの山村を舞台とするウォーキングシミュレーター『Back to Hearth』をリリースした。さっそく好評を博している。

デベロッパーのPodoba Interactiveは9月26日、ウォーキングシミュレーター『Back to Hearth』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)。ゲーム内の日本語表示にも対応している。

『Back to Hearth』は、災厄に見舞われて人のいなくなった村を舞台に繰り広げられる3Dのウォーキングシミュレーターだ。この小さな村はウクライナの田舎の山村をイメージして構築されており、ローポリゴンで描写された風景からウクライナの自然や人々の営みに思いを馳せることができる。

本作はただ歩き回るだけのシミュレーターではなく、物が散乱し破損した誰もいない建物の掃除や修復をすることで物語が描かれていくナラティブアドベンチャーとなっている。プレイヤーは本作の主人公として、この村に再び人々が安心して住めるよう家々を回って片付けを行い、暖炉に火を灯していくことになる。タイトルのHearthとは「炉床」のことであり、人がいなくなり火の灯ることのなくなった炉床に再び明るさと温かさをもたらすことがコンセプトとなっているようだ。

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本作の村に建っている家は全部で5軒あり、それぞれが修理を必要としている。道具を用いてインタラクトすることや、ときには特別なジェスチャーを描くため画面に表示されたラインをなぞることで壊れた設備や家具が修復されていく。家の中に散乱している小物などには、元々住んでいた住民の思い出やストーリーが詰まっている。家や家具を修復すると住民が再びここに住まうために戻ってきて、アイテムはコレクションへ収納される。村人たちから直接思い出を聞いたり、コレクションからアイテムについて調べることで彼らのバックグラウンドをより詳しく知ることができるようになっている。

本作は、Steamレビューにて「非常に好評」ステータスを獲得。本稿執筆時点で109件のレビューを集めており、そのすべてがポジティブな評価を下す100%の好評率となっている。本作ではローポリゴンで構築されたグラフィックから懐かしさを感じられるだけでなく、少し重たいサウンドも相まってほんのりと不気味さも醸し出している。災厄に見舞われ人がいなくなった村の雰囲気が表現されるなかで、物語性と絡み合ったゲームプレイが持ち味の作品だ。

また実際にウクライナに住んでいたり、過去に滞在したことがあるというユーザーからも、ウクライナの山村がどういう雰囲気かをよく表現できていると好評。まるで自分の知る本当の田舎のように郷愁や温かみが感じられるといった評価も寄せられている。

本作のクリアまでの総プレイ時間は約1時間となっており、決して長いゲームというわけではない。しかし、それぞれの住民たちの持つ背景や思い出は心を動かすものであり、短いながらに心に残る深いプレイ体験が得られる。ウクライナに住んだことがなかったり、詳しい歴史を知らなかったとしても、ゲームに漂う雰囲気と物語から物悲しさや哀愁や、心温まる感じ、懐かしさやカタルシスなどさまざまな感情を湧き起こさせてくれる作品となっている。

本作を手掛けたデベロッパーPodoba Interactiveは、ウクライナに拠点を置くインディーゲーム開発スタジオだ。これまでには、ウォーキングシミュレーター『Museum of Monoliths』や、ホラーアドベンチャー『Blessed Burden』をSteamにて配信しており、いずれも「非常に好評」ステータスを獲得している。今回はスタジオが拠点を置くウクライナの文化を描く新作が打ち出され、日本語を含む多言語に対応していることからもグローバルな好評を獲得しているかたちだ。

『Back to Hearth』はPC(Steam)にて配信中。

Kei Aiuchi
Kei Aiuchi

RPG、パズル、謎解きアドベンチャー、放置系などを遊びます。比較的やりこみ型。特に好きなゲームは『ルーマニア#203』

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