トロールと青年の友情とサバイバルを描く3Dアクションアドベンチャー『Troll and I』が開発中

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第346回目は『Troll and I』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第346回目は『Troll and I』を紹介する。

『Troll and I』は人間の青年Ottoと、未熟なトロールを交互に操作する3Dアクションアドベンチャーである。「言葉の通じない巨大生物と人間が助け合いながら困難に立ち向かう」という設定から、リリースされたばかりの『人喰いの大鷲トリコ』を連想するかもしれない。だが本作では人間と巨大生物の両方をプレイヤーが操作できる。シングルプレイ時には二人のキャラクターをシームレスに切り替えながら操り、Co-op時にはスプリット・スクリーンで二人のプレイヤーがそれぞれのキャラクターを操ることが可能だ。

本作は2015年にSquare Enix Collectiveの支援候補タイトルとして登録され、現在はMaximum Gamesをパブリッシャーとして迎えて開発を継続している。開発を担当しているのは英国のインディーデベロッパーであるSpiral House。対象プラットフォームはPCおよびPlayStation 4/Xbox Oneとなっている。リリース予定が2017年3月と迫っているが、現時点ではまだSpiral Houseからの公式トレイラーが公開されておらず、確認できる公式映像は開発初期の頃のゲームプレイ動画のみである。

子供とはいえ全長18フィートのトロールと、槍の扱いに長けた青年Otto。二人の物語が語られるのは1950年代のスカンジナビア半島である。青年が住む村落は野蛮なハンターたちに破壊されてしまった。Ottoは逃亡の末にたどり着いた森の中で一匹のトロールと出合い、共にハンターの魔の手から逃れるため協力し合う。トロールのデザインは一風変わっていて、身体こそ北欧神話に登場しそうな怪物の体型なのだが、顔面だけはお土産やおもちゃとして販売されているトロール人形に近い。野生の生物らしからぬドレッドヘアも特徴的だ。

トロールとOttoにはそれぞれ個別のスキルツリーが用意されており、戦闘を切り抜け、道を塞ぐ環境パズルを解くには二人の力を合わせることが不可欠である。トロールのスキルには仲間を蘇生する「リバイブ」や敵を威嚇する「フィアー」などがある。いざ戦闘に突入すれば、その巨体を活かした豪快な攻撃でOttoをサポートしてくれる。対するOttoは近接武器とクラフトを得意としている。彼の軽快な身のこなしとステルス行動も役に立つだろう。

戦闘からプラットフォーミングまで、二人の協力は欠かせない
戦闘からプラットフォーミングまで、二人の協力は欠かせない

トロールが登場することからも分かるように、本作の世界観には神話・民話的な要素が持ち込まれている。トロールとOttoの前に立ちふさがる敵は生身のハンターだけではないというわけだ。このように『Troll and I』は、プレイヤーの好奇心を刺激する世界観、キャラクター間の友情とサバイバルをテーマにしたストーリー、臨機応変にスキルを使い分ける戦闘&パズルという、アクションアドベンチャーに多く見られる要素が網羅されている。本作はSpiral Houseにとって初の自社オリジナルIPタイトルではあるが、要点をしっかりと押さえた良作の匂いがする。初回クリアまでの時間は12時間前後を想定しているということで、『Uncharted』シリーズやリブート後の『Tomb Raider』といった近年のアクションアドベンチャー大作と比較しても遜色のないボリュームになるだろう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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