オンライン・マルチプレイダンスゲーム『Club M Star』は“キャラメイク”にもこだわってほしいとの開発者談。「日常における音楽との付き合い方」なども訊いてみた
本稿では、オンラインダンスゲーム『Club M Star(クラブ・エム・スター)』のプロジェクトマネージャー、ヘイズ氏に本作の製作工程や同氏の“音楽の付き合い方”などを訊いたインタビューをお届けする。

パブリッシャーのG・O・Pは10月2日、オンラインダンスゲーム『Club M Star(クラブ・エム・スター)』を配信開始した。対応プラットフォームはPC(Pmang)。
『Club M Star(クラブ・エム・スター)』は、2012年より韓国向けに配信されている基本プレイ無料のソーシャルダンスゲームだ。今年8月末には日本向けのサービス開始に向けて数日間のクローズドβテスト(CBT)も開催され(関連記事)、いよいよ正式に配信開始となったばかりだ。今回は、本作でグローバルプロジェクトマネージャーを務めるヘイズ氏にメールインタビューを実施、制作工程や音楽との付き合い方、日本のプレイヤーへのオススメの遊び方などを訊いてみた。

――CBTで遊べた楽曲は全2000曲あるうちのほんの一部であるということに驚きました。配信される楽曲はどのように決まるのでしょうか?
ヘイズ氏:
楽曲の実装は主に2つのパターンで決定しています。ひとつ目は、著作権管理会社から提供いただいた楽曲リストの中から、開発チームと事業・運営チームが選定して実装する方法。ふたつ目は、開発チームや事業・運営チームで希望楽曲のリストを作成し、権利者の方に使用可否を確認する方法です。CBT時の楽曲は、ほとんどがひとつ目のパターンで決まりました。正式サービス後も、さらに多くの楽曲を確保できるよう取り組んでいきたいと考えています。
――本作には楽曲にあわせたダンス以外にも、マイルームやガーデニング機能、他プレイヤーとの協力・対戦などの要素があります。こういったMMOのような要素とリズムゲームを組み合わせるというアイデアはどこから閃きましたか?
ヘイズ氏:
プロジェクトを任されて初めて『Club M Star』をプレイしたとき、とても新鮮に感じました。リズムゲームでありながら、従来の音ゲーとは全く異なる体験だったのです。特にリアルなキャラクターモデリングや自由度の高いカスタマイズが印象的で、単なるリズムゲームとして扱うのはもったいないと感じました。そこで、他プレイヤーとの交流や、ホームガーデンやルームインテリアなどのコンテンツも含めて楽しめるゲームとして展開していこうと考えました。
――日本のリズムゲームでは社内サウンドチームがそのゲーム専用に楽曲を作ったりもしますが、本作ではゲームに実装するために書き下ろされた楽曲はありますか?
ヘイズ氏:
『Club M Star』は、著作権管理会社や権利者との契約を通じてポップミュージックを実装しているため、基本的に書き下ろし楽曲はほとんどありません。ただし、10年以上前にNurien(現Netmarble Neo)によって開発された、当時のインストゥルメンタルのオリジナル楽曲が一部実装されています。

――これまでにどのようなリズムゲームを遊んできましたか?
ヘイズ氏:
かなり多くのリズムゲームをプレイしてきました。『O2Jam』や『TAPSONIC、DJMAX』をはじめ、『HIGH5』、『ボーイフレンド(仮)きらめき☆ノート』、『あんさんぶるスターズ!!Music』、『Rhythm Hive』、『夢色キャスト』、『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』(現『LIVE EMOTION』)、『ツキノパラダイス。』、『ブラックスター』、『プロジェクトセカイ』などです。振り返るとサブカルチャー系のタイトルが多いですね。音楽を聴いたり歌ったりするのも好きなので、リズムゲームへの想いは誰にも負けないと自負しています(笑)

――仕事中はゲームの楽曲に触れている時間が長いと思いますが、一方で余暇にはどのような音楽を聴いていますか?
ヘイズ氏:
完全に個人的な趣味ですが、オフのときはVTuberの方のカバー曲をよく聴きます。そのほか最近は「うたプリ」のカルテットナイトの楽曲にハマっていて、繰り返し聴いています。『Club M Star』とはジャンルや方向性が違うため、仕事に直接つながることは少ないですが、純粋に楽しんでいますね。
――音声(NPCのセリフなど)のローカライズの予定はありますか?
ヘイズ氏:
現状の仕様では、チュートリアル以外でNPC音声が入る部分は非常に少ないため、実施するかどうか検討中です。対応する言語ごとにローカライズと収録が必要で、NPCセリフ全体の収録となると課題も多いため、現時点ではまだ検討段階です。

――本作における振り付けはどのように決めていますか?キャラクターモーションに関する工程をざっくり教えて下さい。
ヘイズ氏:
現在実装されているダンスモーションは古いものが多く、CBTでも「ダンスが古い」というご意見をいただきました。以前の開発会社ではモーションキャプチャーを使用しており、弊社でも新規ダンスモーションを撮影する案が出ています。また、最近はAIを活用したモーション制作も可能になってきており、開発チームと検討を進めています。

――さまざまなコスメティックアイテムがありますが、アイテム専門のチームでデザインなどを進めているのでしょうか?プレイヤーからの要望が採用されるようなこともありますか?
ヘイズ氏:
『Club M Star』のアイテムは、開発チームで企画し、アートチームが制作しています。CBT前にはコミュニティイベントとして「実装してほしいコーデ」や「普段の服装のコンセプト」を募集し、多くのアイデアをいただきました。特に公式Discordサーバーではファッションアイテムの要望が多く寄せられており、いただいたコメントは整理して開発チームに共有し、参考にしています。
韓国版では現在「ファッションデザインコンテスト」を開催中で、当選したコーデが実際にゲームに実装されます。グローバル版でも同様の企画を実施予定ですので、その際はぜひご応募いただきたいです。

――開発の上でさまざまな「うまくいくかわからないチャレンジ」もあったのではないかと思います。どのような挑戦が印象的でしたか?
ヘイズ氏:
一番心配していたのは、グローバル展開により、異なる国や地域のプレイヤーがどうコミュニケーションを取るかという点です。文化や性格の違いもあり、スムーズに交流できるか不安でした。しかしPmangとVFUNでのCBTでは、多くのプレイヤーがシンプルな英語で意思疎通しており、「意外と大丈夫なんだ」と安心しました。もちろん「うまく伝わらない」というフィードバックもあったので、その課題は今後も解決に取り組みたいと思います。

――日本のプレイヤーにぜひ楽しんでほしいイチオシの遊び方はありますか?
ヘイズ氏:
まずは「ムーブバトル」がおすすめです。既存タイトルでは『ダンスダンスレボリューション』に近いゲームモードで、PCで楽しめるのが特徴です。私自身プレイしていて、子どもの頃にゲームセンターで友達や先輩が遊んでいた光景を思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。似た体験をお持ちの方なら、きっと共感いただけると思います。
また、キャラクターカスタマイズも強くおすすめしたいです。『Club M Star』はカスタマイズの自由度が非常に高く、自分だけのスタイルを表現できます。好きなアイドルやアニメキャラクターに似せたり、完全オリジナルのキャラクターを作り込んだりと、幅広い楽しみ方が可能です。今後もできる限り多くのコーデアイテムを追加していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。


――ありがとうございました。
なお以下の動画ではヘイズ氏から日本のユーザーへ向けての日本語メッセージを聞くことができる。興味のある方はこちらもご覧になってはいかがだろうか。
『Club M Star』はPC(Pmang)向けに、基本プレイ無料で配信中。