開発チームわずか3人の観葉植物配置ゲーム『Urban Jungle』、早くも売上約3000万円突破。日本人気狙いなど成功の裏で、“最悪のミス”もあり
Kylyk Gamesは8月17日、観葉植物配置シミュレーションゲーム『Urban Jungle』の売上を明らかにし、その分析をおこなっている。

デベロッパーのKylyk Gamesは8月17日、観葉植物配置シミュレーションゲーム『Urban Jungle』について、約3万本を販売し約21万ドル(約3000万円)の収益を上げていることを明らかにした。
本作は、さまざまな家の一室に観葉植物を配置するシミュレーションゲームだ。多種多様な観葉植物が収録され、ランダムに提示された中から選んで配置しながらポイントを獲得していく。各植物には適した環境が設定されており、部屋の中でそうした場所を探したり作り出したりする、一種のパズル要素が存在する。

『Urban Jungle』は、PC(Steam)向けに今年3月にリリース。Steamのユーザーレビューにて、本稿執筆時点で約400件のうち92%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得するなど高い評価を得ている。それから約5か月が経った8月17日、開発元Kylyk GamesのMaria Yakovleva氏はゲーム開発者が集まるRedditのgamedev板にて、デビュー作となった本作のリリース後の動向を振り返った。
同氏によると、本作は発売初日に3100本、1週間で1万1000本、そして1か月で1万7500本を売り上げ、現時点では2万9700本に達しているという。そして収益については、約21万ドル(約3000万円)を得ているとのこと。同スタジオはYakovleva氏を含め3人だけのチームであり、モデリングや楽曲制作などを担当した外部協力者はいたものの、十分な成功を得たと言えそうだ。

ただYakovleva氏は、本作は成功だったと受け止めてはいるものの、ウィッシュリスト登録者数からするともっと売れるものと期待していた側面もあったという。本作は発売前の段階で、Steamにて約12万件ものウィッシュリスト登録を得ており、ほかの開発者からはその割には売れなかったと指摘されることもあったそうだ。
期待していたほど売れなかった原因についてYakovleva氏は、まずSteamスプリングセールの終了直後に本作をリリースしたことを挙げている。消費者の購買意欲が落ち着いたタイミングということだろう。同氏は、最悪の判断だったと振り返っている。また、著名なYouTuberなどに取り上げられる機会がなかったことや、気楽に楽しめるシンプルなゲーム性であることなどについても言及された。そもそも本作のようなやさしい雰囲気を持つゲームは、ウィッシュリスト登録が集まりやすいが、購買につながる割合が他ジャンルの作品より低い傾向にあるそうだ。
ちなみに同氏は、ウィッシュリスト登録者を集める上でいくつか取り組んだ中でも、本作のようなかわいい雰囲気のゲームは日本で人気のため、日本語にローカライズすることが大事だと述べている。本作は体験版の段階から日本語に対応し、SNS上で注目を集めていた。
ともあれ本作の成功を受けて開発元Kylyk Gamesは、次回作に向けたプロトタイプ制作により時間をかけられるようになったという。まだ具体的な情報は明かされていないが、小規模ながら高い品質の作品を目指しつつ、異なるジャンルのゲームにも挑戦したいとのこと。
『Urban Jungle』は、PC(Steam)向けに配信中だ。体験版も配信されている。