モダンアートを駆け抜けろ 高難度レースゲーム『Proun+』

第10回は、ダンジョンの構築と防衛を楽しむRTS『Wicked Lair』、アーティスティックなコースを駆け抜けるレースゲーム『Proun+』を紹介する。

Mobile of the Weekは、ここ数日の間に発売されたモバイルゲームのなかから光る何かを・際立つ要素を・特筆すべきものを(・場合によっては目に余るデキを)持つタイトルを紹介する週刊連載。第10回は、ダンジョンの構築と防衛を楽しむRTS『Wicked Lair』、アーティスティックなコースを駆け抜けるレースゲーム『Proun+』を紹介する。

 


ダンジョン構築&防衛RTS『Wicked Lair』

 

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『Wicked Lair』は、魔物が巣くうダンジョンを構築し、英雄から財宝を守るRTSである。『Dungeon Keeper』の亜種といったところ。開発を手がけたのはStefan Pratter氏。iOSAndroidどちらも無料でダウンロード可能。

2つのゲームモードがあり、Town Attackは地下10階までダンジョンを構築でき、人間の城を破壊することが勝利条件だ。Survivalは長く生き延びることが目的であり、地下50階までダンジョンを構築できる。どちらのゲームモードも、プレイヤー側のボスが倒されると敗北となる。まずは防衛を意識することになるだろう。

ダンジョンのフロアには合計9つのタイプがある。オークやゴブリンといったグリーンスキンを召喚できる「Citadel」、近接攻撃を得意とするクマや群れることで攻撃力が上昇するオオカミは「Growth」など、どれも個性的なものばかりだ。

モンスターをアップグレードすると基本能力が上昇する。なかには、アビリティを習得するものもいる。もちろん人間側のヒーローも成長し、新たに身に付けた強力なスキルでプレイヤーを苦しませる。つまり、いかに人間よりも早く強くなるかがポイントだ。

手っ取り早くゴールドやマナを集めたいのであれば「Plunder」クラスのモンスターを増やせばいい。人間の城を落とすのであれば「Invader」も必要だ。しかしこの2つのクラスは防衛に向いていないため、「Defender」を配備することを忘れてはいけない。リソース管理と拠点の拡張、そして攻撃と防御、荒削りな部分はいくつかあるが、ストラテジーゲームとしての面白さを感じることができるだろう。

『Wicked Lair』は無料でダウンロードできるが、すべてのフロアタイプを使いたければ課金でアンロックしなければならない。まずは初期状態のままでプレイし、気に入ったら購入してみてはいかがだろうか。

 


モダンアート&レースゲーム『Proun+』

 

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『Proun+』は、曲がりくねったコースを走り、障害物を避けながらゴールを目指すシングルプレイのレースゲーム。「Dutch Game Awards 2011」にてBest Original Game Designを受賞し、同年にPC向けに発売された『Proun』のモバイル版である。開発を手がけたのはJoost van Dongen氏Engine Software。2014年12月2日時点ではiOS版(400円)のみ。今後Androidやニンテンドー3DSでもリリースするとのこと。

モバイルで似た作品をあげるとすれば、『Synesthetic』と『Unpossible』だろうか。これらは少なからず『Proun』の影響を受けており、Joost van Dongen氏は「クローンだ」とコメントしている。

『Proun+』のステージは、Piet MondriaanWassily Kandinskyが描いた絵画から影響を受けている。プレイヤーはハイスピードで、美しいモダンアートの中を駆け抜けるのだ。障害物の色や配置は、目の錯覚を引き起こすよう計算されており、まともにゴールすることすら困難である。初回プレイ時は、たとえ前方に壁が見えていたとしても、右か左かどちらに回転して避けるべきか瞬時に判断することは難しいだろう。

 

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第10回Mobile of the Weekの最優秀作品は『Proun+』である。反射神経をフルに活用する高難度ゲームには、ハウスやトランスといったダンスミュージックがよく似合う。しかし本作はジャズ・ロックを採用しており、モダンアートとの相性も良い。

ゴールだけが目的ではない。『Proun+』はレースゲームである。ほかのCPUよりも速く走り、最低でも3位以内にならなければ星を獲得できないし、新たなコースやレースモードをアンロックできないのだ。コースを頭にたたき込み、加速するべきポイントを探し、いかにして1位になるかを追求する楽しさは、レースゲームならではの魅力だろう。つまり本作はアーティスティックな雰囲気ゲームではなく、プレイヤースキルが活きる作品なのだ。

Shinji Sawa
Shinji Sawa

ゲームはジャンルを問わず遊びますが、1回のプレイ時間が短いものが好きです。FPSやRTSは対戦モノを積極的にプレイします。しかし緊張するとマウスを持つ手が震えるタイプでもあります。

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