開催迫る「RTA in Japan Summer 2025」にて“任天堂タイトルが採用されなかった理由”発表。「無許諾利用」回避のため任天堂と協議中
一般社団法人RTA in Japanは8月4日、国内RTAイベント「RTA in Japan」での任天堂が著作権を保有するタイトル取り扱いの詳細を発表した。

一般社団法人RTA in Japan(以下、RiJ運営)は8月4日、国内RTAイベント「RTA in Japan」での任天堂が著作権を保有するタイトル取り扱いの詳細を発表した。8月9日より開催される「RTA in Japan Summer 2025」にて、任天堂のゲームがひとつも採用されていない点については兼ねてより波紋を広げており、今回は運営がその経緯を説明。今後予定している対応についても発表している。
「RTA in Japan」は、ゲームクリアなどの目標を達成するまでの時間を競いあうRTA(リアルタイムアタック)を、さまざまなゲームとレギュレーションでおこなう、国内RTAの祭典だ。2018年以降は毎年夏に「RTA in Japan Summer」を、冬に「RTA in Japan Winter」を開催。次回イベントとなる「RTA in Japan Summer 2025」は、8月9日から8月15日までの計7日間でおこなわれる。
RiJ運営は6月26日、「RTA in Japan Summer 2025」の採用タイトルを発表した。この際、採用タイトルに任天堂のゲームがひとつも含まれていないことがSNSなどで話題となり、SNSユーザーが各々で理由を推測していたものの、はっきりとした理由がわからない状態となっていた。そして「RTA in Japan Summer 2025」開催を間近に控えた本日、RiJ運営がその理由についてお知らせを発表した。
発表によると2025年6月13日、RiJ運営は任天堂から「法人による任天堂のゲームの利用には事前の許諾が必要である」ことと、これまでのイベントでの利用が無許諾利用にあたることを指摘されたという。そこで、RTA in Japanは今後も任天堂のゲームの利用を希望し、同社と許諾に関する協議を開始したそうだ。ただ採用ゲーム発表のタイミングでは明確な取り扱いを定めることができなかったため、今年の「RTA in Japan Summer 2025」では任天堂のゲームの利用を見送ることになったという。
なお今後、「RTA in Japan」で任天堂のゲームを採用する際には事前に、イベント・ゲームごとにRiJ運営から個別に許諾申請を提出することで利用可能となる見込みとのこと。また、この変化によって「RTA in Japan」のゲーム応募ガイドラインや応募要項が変更になる想定であるという。詳細については今後のRiJ運営からの発表を待ちたい。
ちなみに任天堂は2023年10月24日、「ゲーム大会における任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」を公開している。これは定められたルールを遵守していれば、日本国内で個人の主催者によって開催されるコミュニティ大会に関して、任天堂は著作権侵害の主張をおこなわないというガイドラインとなっている。ただし、コミュニティ大会が営利を目的としない小規模なものであることが本ガイドラインに提示されたルールのひとつとなっている。
大会形式である「RTA in Japan」もこのガイドラインの対象になるとみられる。ただ、非営利のチャリティイベントであるものの、小規模ではなく、そして法人による主催ということもあり、任天堂のガイドラインに当てはまらないものとして指摘を受けたのだろう。また「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン」でも、法人では任天堂のゲーム著作物を使って共有サイトに投稿をする際に別途契約が必要となることが示されている。
いずれにせよ、現時点の発表では「RTA in Japan Summer 2025」以降のイベントでは任天堂とRiJ運営が協議中であり、正式な手続きをおこなった上でのタイトル採用を視野にいれていることも示された。「RTA in Japan」を盛り上げてきた任天堂タイトルが帰ってくる日を待ちたい。
「RTA in Japan Summer 2025」は、8月9日15時から8月15日まで開催予定。各タイトルのスケジュールも発表されているので、どんなタイトルが気になる人はそちらもチェックされたい。