任天堂、Nintendo Switch 2の「キーカード」についてアンケート実施中。不満も含め、率直な意見求める

Nintendo Switch 2の「キーカード」について、任天堂がユーザーアンケートを実施している。パッケージ版購入者を対象に、意識調査をおこなっているようだ。

Nintendo Switch 2向けゲームのパッケージ版に採用されている「キーカード」について、任天堂がユーザーアンケートを実施しているようだ。同社は、製品・サービスの利用者にアンケートへの協力を求めることがあり、今回はパッケージ版購入者を対象に、主にキーカードについての意識調査をおこなっている。

キーカードは、Nintendo Switch 2にて新たに導入された仕組みだ。パッケージ版ソフトに封入された物理メディアであり、見た目は通常のゲームカードとほぼ同じだがゲームデータは収録されておらず、ゲームを起動するためのキー(鍵)のみが保存。ユーザーは、キーカードをNintendo Switch 2本体に挿入し、ゲームデータを本体保存メモリーやmicroSD Expressカードにダウンロードしてからプレイする。

キーカードは、いわば従来のパッケージ版とダウンロード版の仕組みを組み合わせたような仕様となっており、ゲームデータをダウンロードしてプレイするが、キーカードを友人と貸し借りしたり、中古として売却したりといったことが可能だ。一方で、本体に挿せばすぐにプレイできたり、ゲームを手元に保存しておけたりといった、従来のパッケージ版にあったメリットは薄まっており、ユーザーの反応はさまざまである。

こうした背景もあってか、任天堂はキーカードについてのユーザーアンケートを最近になって実施し始めたようだ。SNS上での報告によると、アンケートではキーカードでゲームを遊んだ感想や、キーカードの総合的な満足度、またキーカードを使ってよかったと感じたこと、不便あるいは心配に感じたことや、今後キーカードのパッケージ版とダウンロード版のどちらを選ぶか、といったことなどについて質問されている。

キーカードでゲームを遊んだ感想の設問は、あらかじめ用意された回答から自身に当てはまるものを選ぶ形式になっている。その回答としては、先述したような利便性がいくつか挙げられたほか、「初回のダウンロードが手間だった」「起動時にキーカードが必要なのが面倒だった」「本体やmicroSD Expressカードの容量を圧迫するのが困った」といったものも選択肢に用意されている。また、一部の設問は自由記述で回答する形式となっている。

任天堂の代表取締役社長・古川俊太郎氏は先月6月に開催された第85期定時株主総会にて、Nintendo Switch 2にてキーカードを導入した理由として、Nintendo Switchよりもゲームソフトのデータ容量が大きくなることを挙げていた。ゲームカードは、容量が大きいほど製造コストが上がるとされており、特にサードパーティーの負担に配慮してキーカードが発案されたのだろう。現在のところ任天堂のパッケージ版ソフトは、すべてゲームカードを使って販売されている。

一方でその定時株主総会では、株主から「データが入っていないパッケージソフトにはあまり魅力を感じない」というユーザー意見が紹介。キーカードを採用したサードパーティータイトルが売れにくくなり、メーカーのNintendo Switch 2離れを起こすのではないかといった懸念が示された。これに対し古川氏は、ソフトメーカーともいろいろな点を協議しながら、任天堂プラットフォームを積極的にサポートしてもらえるよう努めていきたいと回答している。

今回キーカードに関するユーザーアンケートが実施されたことから、任天堂はユーザーの中に不満の声があることを把握しており、さらに詳しく調査しようと乗り出したことがうかがえる。Nintendo Switch 2はまだローンチしたばかりであり、今後何年にもわたって販売されることを考えると、一般的にいうと上手くいかない部分があれば改善が検討されるものだろう。今回のアンケートを通じた調査結果が公表されることはないだろうが、Nintendo Switch 2向けパッケージ版ソフトの仕様に今後何らかの変化が現れることがあるのか注目される。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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