森が赤く染まる夜、男はその命をかけて一本の塔を守る。2Dサバイバルアクション『The Keeper』が開発中

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第332回目は『The Keeper』を紹介する。

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第332回目は『The Keeper』を紹介する。

本作は自然豊かな森の中に建つ一本の古い見張り塔を舞台に、一人のKeeper(番人)の男を主人公とする2Dサバイバル・アクションゲームだ。ゲーム内には時間の概念が存在し、昼間と夜間ではゲームプレイがガラリと変わることが大きな特徴になっている。

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長い間その塔は使われないまま放置されていたが、今は一人の年老いた農夫が番人として暮らしており、日々懸命にその任に当たっている。しかし、ずっと誰も使っていなかった見張り塔に、なぜ番人が必要なのだろうか。

実はこの見張り塔はただの塔ではなく、知られざる秘密が数多く隠されているという。どんな秘密が隠されているのかは番人である彼も知らない。

002美しく雄大な自然の景色が望める昼間の雰囲気はのどかそのもの。うっそうとした森に入れば鹿などの野生動物がおり、川には魚がいる。プレイヤーは狩りや釣りをして食料を確保することができる。そして木を切ってきたり、あたりを散策して資材を集めてくるなどして、日々を生きるためのサバイバルをおこなう。

しかし、赤い月が昇る夜になると、辺りの雰囲気は一変する。この世界には「Sin Eater」と呼ばれる悪の化身が存在しており、腐った身体のモンスターを赤く染まったこの地に送り込んでくる。「Sin Eater」の狙いはこの塔にあり、プレイヤーは襲いくるモンスターたちを追い払う。これが彼の番人としての仕事なのだ。

モンスターとのバトルには多彩なアクションが取り入れられている。愛用の斧や弓を駆使したコンボやカウンターアタック、そして弱ったモンスターには無慈悲なフィニッシュを決めることができる。敵の武器を取り上げて攻撃したり、首根っこをつかんで拳を叩き込んだりと、昼間の穏やかな雰囲気の彼からは想像もつかないほど激しくスピード感のあるバトルが繰り広げられる。

しかし、彼はなぜこのような危険な仕事に毎日命をかけているのだろうか。そして彼自身も知らないという、この塔の秘密とは一体何なのだろうか。公開されたトレイラーには時折、真っ暗な世界の中を歩く彼の姿が映し出される。彼が近づくと次々に燃え上がり骨になる人々や、灰のように散ってゆく女性。そういった死を強くイメージさせるシーンもあれば、小さな女の子が走っているシーンもある。しかし、彼はその女の子に近づくことができない様子だ。そしてこの世界の夜の象徴である大きな赤い月が、先ほどの女性と女の子を照らし出す。これは彼の心のうちを映し出しているのだろうか。

この塔を執拗に狙う「Sin Eater」、「罪を喰らう者」とでも訳すべきか。その名からは、ただこの塔の中のものを奪い取ろうとしている悪者というようなものではなく、なにか人間世界との深い因縁のようなものを感じさせる。上述したイメージやこの「Sin Eater」の存在が、この塔に隠された秘密や、彼がその番人となった理由に関係しているのかもしれない。

この『The Keeper』を手がけるのはLudic Studio。公式サイトもなく情報は多くないのだが、ブラジルを拠点にするインディースタジオのようだ。本作はWindows/Mac/Linux向けにSteamでの販売を予定しており、すでにSteam Greenlightに登録し、十分な支持を得て通過している。発売時期は現時点では不明だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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