キツネと歩くアート系ゲーム『Close』が開発中、せつせつと響く雪の音
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第329回目は『Close』を紹介する。
近年、ゲームプレイやメカニックといったインタラクティブ性ではなく、世界観や物語、あるいはビジュアルやサウンドなどの芸術性を重視したゲームの数も増えている。今回紹介する『Close』もまた、ゲームプレイよりも芸術性にフォーカスしたゲームであり、インタラクティブアートと称されるタイプの作品だ。
『Close』は見下ろし視点のアドベンチャーゲームである。プレイヤーはピンク色の防寒具に身を包んだ女の子のキャラクターを操作して、雪の積もる白い世界を探索する。プレイヤーに対してゲーム側からの指示はなく、美しい雪の世界を自由に旅することができる。
本作の目的は何だろうか。 魔王を倒す? 惑星から脱出する? いや違う。雪の降り積もる『Close』の世界を探索すること、ただそれだけが目的だ。
もちろん延々と続く白銀の世界をただ歩くというわけではなく、本作には探索することが楽しめるような仕組みが多数用意されている。たとえば思わず見とれてしまうような美しい景色、可愛くもどこか奇妙な動物たちがそうだ。湖は凍りつき、近くにある枯れた木々が青い氷面に反射している。人がいたことを匂わせるボートが打ち上げられて転がっている。こういった情緒豊かな場面から、プレイヤーは趣を感じ取るというわけだ。
またゲーム中では友人のキツネとの関係が表現豊かに描写される予定。キツネとの関係がどのように発展していくのかなど詳細は明らかにされていないが、寂しい雪の世界では心温かい相棒となってくれることだろう。
本作の作者であるTobias Zarges氏は、ゲームクリエイターとしてよりもアーティスト、デザイナーとして活動しており、普段はアニメーションやグラフィクデザインなどを手がけていることが多いようだ。静かに降り積もる雪の世界を絵本のような優しい世界を描いている『Close』は、2017年にPS4/Xbox Oneで発売予定となっている。