The Game Awardsの挑戦的な「ベストファン作品賞」、ノミネート作品から「メトロイド」「ポケモン」の任天堂ファンゲームが削除
名を変えながらも毎年12月に開催されてきた年末最大のゲームアワードイベント「The Game Awards」。今年は歴史上初めてとなるファンゲームやModを対象とした「Best Fan Creation」部門が設立されていたが、ノミネートされた4作品のうち任天堂関連のファンゲーム2作品が公式サイトから削除されていることが明らかとなった。
「Best Fan Creation」は、ファンが自作したModや映像、ゲームコンテンツを対象としたアワード。ノミネート作品として、「Brutal Doom」開発者が『Doom 64』をベースに作り上げた「Brutal Doom 64」、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の大型Mod「Enderal」、そして『メトロイド2』のファンリメイク「Project A2MR」と『ポケットモンスター』のファンメイド作品「Pokemon Uranium」が発表されていた。しかし記事執筆時点では、公式サイト上には「Brutal Doom 64」と「Enderal」しか掲載されておらず、「Project A2MR」と「Pokemon Uranium」には投票することができなくなっている。
公式サイトから削除された理由については明らかにされていない。ただ今年の夏ごろ、フリーゲーム配布サイトGame Joltから560作品以上の任天堂ファンゲームが削除されたニュースはまだ記憶に新しい。この際にも「Project A2MR」と「Pokemon Uranium」はGame Joltから削除。またどちらの作品も米任天堂からの要請を受け公式サイトでの配信は停止されている。
自社のファンゲームに対してセガの公式Twitterアカウントが容認するような素振りを見せたり(参考記事)、「Brutal Doom 64」のノミネートがid Softwareにより祝福されたりと、ファンゲームやModが公式に受け入れられる例はある。一方で、IPを侵害するコンテンツを取り締まるのまた、パブリッシャーの正しい姿といえる。IPを他者が無断で使用し長年築き上げたブランドイメージが損なわれたり、あるいはゲームのアセットが無断で盗用されたりなど、そういった可能性を除外するのは至極まっとうだ。そういう意味で今回の一件は、任天堂が厳しい姿勢を見せたというよりかは、「Best Fan Creation」に「Project A2MR」「Pokemon Uranium」がノミネートされていたこと自体が挑戦的だったといえるだろう。
出足をくじいた感のある「Best Fan Creation」アワードだが、コミュニティポータルのMod DBで開催されている「Mod of the Year」などを除けば、ファンメイドのコンテンツがここまでスポットライトを浴びるのはめずらしい例だ。「The Game Awards」は現地時間12月1日より開催予定で、どちらの作品が栄誉を手に入れるのか注目したい。