Nintendo Switch向け『ドロボー幼稚園2』開発元、「中途半端にうまくいった結果、大赤字」として運営開発支援資金と友達を募る

、唯一無二の立ち位置で知名度を伸ばしつつある『ドロボー幼稚園』シリーズ。50万ほどダウンロードもされているという。しかし運営状況は芳しいといえないようだ。

ソノリテおよび同社のゲームブランドunCompany gamesは『ドロボー幼稚園2』の開発資金を募るためのクラウドファンディングをCAMPFIREで実施すると告知した。5月21日夜開始予定。現時点での目標金額は100万円とのこと。支援はオリジナルコンテンツを含む、ゲーム内のアイデアを実装するために使われるとのこと。

『ドロボー幼稚園2』は、幼児退行マルチプレイゲームだ。基本プレイ無料(ゲーム内課金コンテンツあり)として配信されている。プレイヤーは、魔法の粘土でできたドロボーと呼ばれるキャラクターを操作し、3対3にて“おたから”をより多く集めることで競う。

同作は、現代社会に疲れた大人たちが、積み木をしたり仲良くしたりするなど幼児退行をしたいという異色のコンセプトで開発された。前作はSteamおよびNintendo Switch向けに買い切りゲームとして発売された。そして続編はNintendo Switch専用タイトルとして基本プレイ無料で2024年5月に配信開始された。

こうした経緯もあり、唯一無二の立ち位置で知名度を伸ばしつつある『ドロボー幼稚園』シリーズ。50万ほどダウンロードもされているという。しかし運営状況は芳しいといえないようだ。同作の月の売上は200万円だという。諸経費を含むと赤字だそうだ。売上手数料や維持費、設備費などで100万円ほどなくなり、そこから開発チーム5人の人件費が差し引かれるとのこと。ざっと見立てで計算しただけでも、結構な赤字である。一方でこうした売上はインディーゲームとしては上位10~15%程度には売れており、成功の部類に入るということで『ドロボー幼稚園』を育てていきたい方針もあるという。

マネタイズについては、課金アイテムがメインとなる。課金アイテムの単価を上げる、課金アイテムを増やすという選択肢があるものの、ユーザーに無理はさせたくないので、ユーザーの数を増やすことで売上を上げようとしているそうだ。

そうした中で、運営チームはオリジナルコンテンツを作る時間がもっと欲しいと感じているという。オリジナルコンテンツ開発資金の支援募りと、そのアイデアの募集、および友達づくりのためにクラウドファンディングキャンペーンを実施したそうだ。

なお、クラウドファンディングキャンペーンのリターンとしては、デジタル製品になるという。応援すれば限定スキンが手に入るほかクレジットに名前が記載されたり、設定資料集やグッズ入稿データ、デジタル絵本、3Dモデルなどが獲得できるプランも。また各プランは実装希望コンテンツに分かれており、希望の多かったプランのコンテンツが優先的に開発されることも特徴だ。詳細はキャンペーンページを見てほしい。

つまり『ドロボー幼稚園』シリーズは一定の支持を集めているものの、マネタイズがあまり機能しておらず赤字状態であるようだ。しかしプロジェクトとしての可能性は見出されており、ファンベースの拡大やコンテンツ実装のためにクラウドファンディングキャンペーンをするようである。応援したくなったら支援してみてもいいし、あるいは興味をもった方は『ドロボー幼稚園2』をプレイしてみるのもいいだろう。

『ドロボー幼稚園2』は、Nintendo Switch向けに基本プレイ無料で配信中だ。クラウドファンディングキャンペーンは5月21日夜開始予定である。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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