『ハンドレッドライン(ハンドラ)』、クリア時間の様子がおかしい。「エンディング全部見た人、平均180時間」
全エンディングを見るには、データベースサイトの平均所要時間は180時間としている。

先月発売された『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』。同作のクリア時間がなかなかすごいことになっているようだ。「エンディングを全部見ると平均180時間かかる」といった報告もみられる。
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』(以下、ハンドラ)は、最終防衛学園に集められた15人の少年少女が100日間の防衛戦を繰り広げる、“極限”と“絶望”のADV+SRPGである。パブリッシャーはアニプレックスで、『ダンガンロンパ』シリーズ主要開発者が独立して設立したトゥーキョーゲームスと、メディアビジョンが開発を担当する。対応プラットフォームはPC(Steam)およびNintendo Switch。
本作の主人公・澄野拓海は、普通の高校生だ。拓海は住居がすべて団地で構成された市街地「東京団地」で、家族や幼馴染のカルアと共に、平凡な日常を過ごしていた。しかしある時、東京団地に正体不明の襲撃者が現れる。とあることをきっかけに意識を失う拓海。彼が目を覚ますと、消えない炎に包まれた最終防衛学園へとやってきていた。特別防衛隊に任命された15人の学生が、正体不明の敵「侵校生(しんこうせい)」から学園を100日間守り抜く、絶望に染められた学園生活が繰り広げられる。
『ハンドラ』には100種類のエンディングがあると告知されていた。そして実際にエンディングは100種類存在する。しかも「選択肢を選んですぐに結果がわかる」パターンは少なく、「同展開のキャラ差分だけがあるような類似エンディングの量産」パターンもないので、100種類のユニークなエンディングが存在しているといえる。その100種類のエンディングを見るにはどれくらいかかるのだろうか。データベースサイトの平均時間は、180時間としている。
ゲームのクリア時間集積データベースサイトHowLongToBeatによると、『ハンドラ』のCompletionistクリアの平均時間は180時間だという。Completionistの定義は報告したユーザー次第だが、エンディングの全制覇が基準にされているとみられる。本作には各キャラの好感度を上げることができ、最大まで上げることもコンプ要素としてあると思われるが、すべてのエンディングを見る過程でこなせるタスクだからだ。なので、すべてのエンディングを見るにあたっての平均が180時間ということだろう。
ただ発売から1か月と間もないということもあり、Completionistデータの投稿の母数は4と極めて少ない。報告者間で145~220時間とかなり開きがあるのも事実。それもそのはず、このゲームの進行は個人差が大きい。テキスト量が膨大なので「テキストを読む速度」がプレイ時間に関わってくる。また戦闘についての戦い方にも個人差があり、みっちり殲滅するか目標達成だけするかによってもプレイ時間は変化。さらに戦闘については類似戦闘がスキップできるが、それをスキップするかどうかにもよる。自由時間の過ごし方も関係してくるだろう。

筆者は、「速読体質、戦闘は後半が目標達成のみ、スキップ可戦闘はスキップ」スタイルで進行。コンプリートは120時間程度であった。自分でいうのもなんだが、かなり速いペースでこれなので、じっくり遊ぶ人はさらに時間がかかるものと思われる。
注意したいのは、開発者たちは「自分だけのエンディングを見つけてもらえればそれでいい」と言っていること。小高和剛氏はインタビューやSNSで「『ハンドレッドライン』は全てのエンディングを見る必要はありません。自分に合ったエンディングが見つかれば、それで十分です。もちろん、全部見て頂いても嬉しいですが、あなたがルートや終わりを選べるのが『ハンドレッドライン』なのです。」と述べている。
また小高氏はオススメの遊び方としては「無理して全部やらずに、途中で「違うな」と思ったら選択やり直して、納得できるゴールを見つけた時がゴール。で、友達にオススメルート教えて貰ったら、またトライしてみる…とかの楽しみ方で気軽に手を出してください。」とコメントしている。筆者がプレイする限りエンディング自体はかなり玉石混交で、ほかのルートに比べて「情報量や刺激」がさほどなく時間拘束強めのルートも存在。そこを含めてゲームを楽しむのも、刺激の多いところだけ楽しむのも手である。
ちなみにHowLongToBeatには「Main Story」クリアまでという項目も存在。こちらは19の投稿が寄せられていて、平均時間は30時間55分。ただし本作の構造が複雑なゆえに「何をもってメインストーリークリアとするか」という点が定まっていない。あるユーザーは「最初のエンディング」をメインストーリークリアとしており、あるユーザーは「エンディング1」をメインストーリークリアとしている。このふたつは近いように見えて到達までの時間がかなり違うので、HowLongToBeatを根拠とした「クリアまで30時間」というデータは参考程度にしたほうがよさそうである。
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』はPC(Steam)およびNintendo Switch向けに発売中だ。体験版も配信中である。