『グーニャ』シリーズ開発元MUTAN、ブラウニーブラウンをルーツとした会社ブラウニーズを子会社化。後継者問題をきっかけに
株式会社ブラウニーズは、株式会社MUTANの子会社になるとのこと。

株式会社MUTANは5月15日、株式会社ブラウニーズの株式を取得する株式譲渡契約を、5月11日付で締結したことを発表した。これにより株式会社ブラウニーズは、株式会社MUTANの子会社になるとのこと。
MUTANは、東京都豊島区に本社を置くデベロッパーだ。『グーニャモンスター』や『ソフィアは嘘と引き換えに』などのオリジナル作品を手がけているほか、『FINAL FANTASY XVI』や『ユミアのアトリエ ~追憶の錬金術士と幻創の地~』など他社作品の開発にも数多く参加している。
一方のブラウニーズは、東京都武蔵野市に所在するデベロッパー。ブラウニーブラウンをルーツにもち、最近では『EGGLIA Rebirth』をはじめとした『エグリア』シリーズを手がけており、また『ドラえもん のび太の牧場物語』や『ファンタジーライフ LINK!』などの開発に携わった実績も持つ。なおMUTAN代表取締役の渡邊氏はかつてブラウニーブラウンに在籍していた過去がある。

今回のMUTANによるブラウニーズの株式取得および子会社化は、経営上の困難によるものではなく、両社の理念や将来ビジョンが一致したことによる前向きなものとのこと。これまでブラウニーズの代表取締役社長を務めていた亀岡慎一氏が後継者問題に真摯に向き合うなかで、MUTANとの理念的な親和性や事業の将来性を見据えたうえで合意に至ったそうだ。そして、ブラウニーズと、ブラウニーズが生み出す作品の価値を次世代につなぎ、さらなる成長を共に歩んでいくとした。両社のコメントは以下のとおり。
株式会社MUTAN代表取締役 兼 株式会社ブラウニーズ代表取締役 渡邊弘之氏
「家庭用ゲーム黎明期、数々の名作を生み出してきた諸先輩方に憧れゲームクリエイターになりました。そんな憧れクリエイターの一人であるブラウニーズ
亀岡さんと津田さん、そして脈々と受け継がれるブラウニーズ流のクリエイティビティを持つブラウニーズのクリエイター達。MUTANとしては大変心強い仲間ができたなという想いですが、ブラウニーズから見てもそう思ってもらえるようしっかりと文化とクリエイティブのすり合わせをしていきたいと思います。
亀岡会長フェローが積み上げてきたものをベースに、フェローもびっくりするくらいの開発会社にしてやろう!という意気込みでございます。しっかりと皆さん(ユーザーやゲーム業界内)の期待に応えられるよう頑張っていこうと思います」

株式会社ブラウニーズ取締役会長フェロー 亀岡慎一氏
「ファミコンが出た頃に第一線で活躍していた人たちがそろそろ定年を迎えはじめたというまだまだ歴史の浅いゲーム業界。ご多分に漏れず自分もそれなりの年齢になって来たので会社の行く末をちゃんと考えなくてはいけないなと考え始めた時、何かあれば(無くても)ちょくちょく相談に来ていたかつての部下、MUTAN渡邊社長にブラウニーズの操舵手を任せることに致しました。
結構面倒臭い性格の自分とこれだけ付き合いが続いてるという事は、こうゆう形に行き着く事は実は決まっていた事だったのかとも思えます。今回のタッグで再び開発に専念してもうひと暴れさせてもらえる環境を用意してくれた渡邊社長に今は感謝の気持ちです。今後のMUTAN、ブラウニーズの動向を楽しみにしていて下さい」

両社の今後の展望については、MUTANとブラウニーズの技術力を積極的に融合させ、ゲーム業界における競争力の強化に取り組んでいくとのこと。また、本株式取得を契機として、すでに着手しているプロジェクトもあるという。
そのひとつは、新作推理アドベンチャーゲーム『ソフィアは嘘と引き換えに』に登場する案内役キャラクター「リンジー」のデザインを、漫画家・イラストレーターの清原紘氏監修のもと、ブラウニーズが担当するとのこと。
さらに、広報VTuber「アリステティア」のユニット化に向けた、追加キャラクター2体のデザインを担当。ビジュアルはすでに完成しており、MUTANによるモデリングを経て今夏のデビューを目指しているそうだ。
なお、現在開発中の『ソフィアは嘘と引き換えに』は、PC(Steam)向けに7月3日に配信予定だ。また本作に関しては、世界最速の試遊体験などを提供するクラウドファンディングが、CAMPFIREにて5月31日まで実施中である。