ピーター・モリニューの最新作『The Trail – A Frontier Journey』が国内iOS/Android向けに配信開始
ピーター・モリニュー氏が率いるゲーム開発スタジオ22Cansの最新作『The Trail – A Frontier Journey』(以下、The Trail)が国内iOS/Android向けに配信を開始した。同じく22Cansが開発したモバイル版『Godus』と同様、ゲーム内課金のあるFree-to-Playモデルを採用している。
神の視点でプレイするゴッドゲームで有名なピーター・モリニュー氏だが、本作は趣向が異なる。プレイヤーは一人の冒険家を操作し、探索、資源集め、クラフト、アイテムのトレード、町への定住、そして建築をこなしていく。これらをモバイル端末でも快適に楽しめるように、サンドボックス型の広いマップではなく、長い一本道を歩む設計にすることで操作をシンプルにしている。片手で遊べるドラッグ&スワイプの簡単操作かつ、いつでもプレイを中断できる手軽さがあり、隙間時間にぴったりだろう。
本作のビジュアルは22Cansの『Godus』および『Godus Wars』を引き継いでおり、のどかな音楽が迎え入れてくれる点も似ている。音声は英語だが、文章は日本語にローカライズ済みだ。プレイヤーはゲーム開始時にキャラクターのルックスと名前を決め、最初の町「Eden Falls」までの15kmにおよぶハイキングをはじめる。歩く速度を速めるほどスタミナの減りも速まるが、途中のキャンプ地で休憩することで回復できる。
キャンプ地ではスタミナの回復のほか、道中で見つけた木の枝や石などを組み合わせて新しいアイテムをクラフトできる。道中で拾ったアイテムや新たにクラフトした品物は、他のキャラクターとトレードすることで別のアイテムやゲーム内通貨と交換できる。こうしてプレイヤーはクラフトやトレードを通じてゲーム内通貨を貯めると共に、よりクオリティの高い装備品を入手していく。より良い靴は移動速度を上げ、帽子はスタミナを上げるといった具合だ。またクラフトしたオノで道中の木を切ったり、武器をクラフトして動物を狩ることで、さらにクラフトやトレード用の材料を集めていく。アイテムを保管するカバンの容量には限りがあるため、ちょっとしたインベントリーパズルにもなっている。こうして旅の道中でゲームの流れを学び、のちの建築作業に備えることができる。
『The Trail』は多くのサンドボックスゲームに含まれている基本要素を網羅しており、それらを全て片手で処理できるシンプルなゲームデザインに落とし込んでいる。22Cansは前作『Godus』および『Godus Wars』において、実装を予定していたゲームデザインの数々がモバイル版とPC版の両方に噛み合わない内容であった点を反省していたが、本作ははじめからモバイル版に特化したゲーム設計となっている。
ゲーム内課金としては、有償のゲーム内通貨「バッジ」を購入できる。本作はゲームを進めるにつれて必要な作業量が増えていくのだが、「バッジ」を使うことで先へ進むまでの時間を短縮できる。Free-to-Playモデルとしては一般的な仕様といえるだろう。
なおピーター・モリニュー氏は本作のリリースにあたり目立ったプロモーション活動をしていない。モリニュー氏は2015年のインタビューで今後メディアへの露出を控える旨の発言をしており、その約束を守った結果が今回の静かなリリースなのだろう。賛否両論となったPC版『Godus』の早期アクセス開始から3年。はたして22Cansの新作は売上とプレイヤーからの評価ともに成功をつかめるのだろうか。