Niantic、『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』事業をScopelyに本当に売却。約5000億円で

Nianticは3月12日、同社が運営する『ポケモンGO』』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』とそれらのゲーム体験の提供に携わっているチームを、Scopelyに売却すると発表した。売却額は35億ドル(およそ5000億円)となる。『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』の運営は今後Scopely下で続けられる。
Nianticは、主に位置情報ゲームを手がけている米国の企業だ。『Ingress』のほか、株式会社ポケモンと共同開発されている『ポケモンGO』や、カプコンのライセンスを受けた『モンスターハンターNow』などを開発・運営。それぞれ高い人気を博している。Scopelyといえば、デジタルボードゲーム『MONOPOLY GO!』などさまざまなモバイル向けゲームを手がけてきた米国の企業だ。2023年にサウジアラビア系のSavvy Games Groupに買収された。なので現在は米国に拠点を置きつつも、サウジアラビア系の企業である。
両社においては、Nianticのモバイルゲーム事業をScopelyが買収するとの関係者証言が
Bloombergより報じられていた。そうした報道がある中、今回正式にNianticのモバイルゲーム事業がScopelyに売却されることが告知された。売却額は35億ドル(およそ5000億円)となる。なお各ゲームの公式サイトから、今回の買収に際した告知が出されており、『ポケモンGO』公式ブログにおいては、Scopely社としての『ポケモンGO』の運営方針が掲げられている。人気作は今後も運営が続けられるのだろう。
またこのタイミングでNiantic側は会社の形式が変更。新会社はNianticから切り出されNianticとScopelyに支援されるかたちでNiantic Spatialが設立。Niantic 創始者のジョン・ハンケ氏がCEOを務めるという。位置情報ゲームの開発から手を引き、「ジオスペーシャルコンピューティング事業」に専念するための決断だそうだ。『Ingress Prime』や『Peridot』などの現実世界を舞台にしたARゲームは、引き続きNiantic Spatialが運営していくとのことである。
Nianticは『ポケモンGO』で一世を風靡したものの、同作に続くヒット作の創出に苦心している様子もみられた。また2022年には従業員85~90人のレイオフ実施および複数のプロジェクトの開発中止が報じられた。2023年にはさらに従業員約230名を対象とするレイオフが実施。この際には『NBA All-World』のサービス終了と『Marvel: World of Heroes』の開発中止も報告されていた。ヒットタイトルをもつものの、さらなる新作のヒットを生み出せておらず、そうしたヒットを生み出さなければいけないプレッシャーにあったわけだ。そうした状況も、今回の決断の背景としてあるのだろう。