自由すぎる魔法学校箱庭ゲーム『Secret Agent Wizard Boy and the International Crime Syndicate』、ぐんぐん評判高まる。最大4人マルチ対応で呪文悪用し放題、たたみ掛ける混沌と笑い

David Szymanski氏は3月7日、魔法学校箱庭アクション『Secret Agent Wizard Boy and the International Crime Syndicate』の早期アクセス配信を開始した。さっそく高い評価が寄せられている。

David Szymanski氏は3月7日、兄弟でインディー開発者のJohn Szymanski氏、Evan Szymanski氏とともに手がける『Secret Agent Wizard Boy and the International Crime Syndicate』(以下、Secret Agent Wizard Boy)の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)。早期アクセス配信直後ということもありボリューム面の課題は指摘されつつも、本作にはさっそく高い評価が寄せられている。

『Secret Agent Wizard Boy』は、魔法学校を舞台にした箱庭アクションゲームだ。学校の背後に潜む国際犯罪組織を倒すべく、魔法やアイテムを駆使したドタバタアクションにて潜入捜査をおこなう。ソロプレイおよび最大4人でのオンライン協力プレイに対応。


本作の主人公であるスパイの使命は、邪悪な魔法使い「Grumblemort」が率いる国際犯罪組織「SPIDER」を打倒することだ。情報を得るため、Grumblemortが運営する魔法学校に「Wizard Boy」として潜入する。魔法学校の奥深くにあるという謎の金庫室を目指し、正体が見破られないようにしながら城を探索していくのだ。あるいは、任務を完全に無視して大混乱と破壊をもたらすこともできるという。

本作のゲームプレイは、魔法や現代兵器により生じるシュールでカオスな展開が特徴だ。魔法学校の中は箱庭形式となっており、プレイヤーはその中で自由に行動できる。たとえば呪文で生徒を吹き飛ばしたり、拡大呪文であらゆるものを大きくしたり、地雷で城を大爆発に巻き込んだりと、やりたい放題することが可能だ。また、魔法学校自体も負けず劣らずカオスな空間となっており、動く鎧などのいかにもなものから、中庭の巨大トランポリン、即死の落とし穴、果てにはミサイルが飛んでくるレーザートラップなどが存在する。物理演算も持ち味で、暴れれば暴れるほど混沌とした光景が広がることだろう。オンラインで他のプレイヤーとチームを組み、探索もしくは爆破を繰り返しながら、SPIDER打倒のため活動することもできる。

本作は3月7日に早期アクセスにて配信開始すると、Steamユーザーレビューでは本稿執筆時点で189件中96%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。レビューでは『Goat Simulator』や『Hitman』シリーズのような箱庭ゲームになぞらえる声も多く見られ、主に楽しさに振り切ったゲームプレイが評価されている。レビューの中には「拡大呪文で地雷を50倍にして中庭で爆発させる」「スピード増加ポーションを10個重ね掛けし、音速でトラップにぶつかり死ぬ」などカオスなエピソードが多数投稿されており、ふざけた思いつきでもしっかりと応えてくれる懐の深さが好評のようだ。またローポリゴンで表現された魔法学校はPS1で発売されていた『ハリー・ポッター』のゲームシリーズのビジュアルを見事に再現しているとも評されており、そのノスタルジックな雰囲気も好評だ。

一方で早期アクセス配信開始直後ということもあってかボリュームの少なさは課題として指摘されている模様。無茶な行動をした時のFPSの低下など最適化不足を指摘する声もあり、今後の改善に期待がかかる部分となっている。

本作を手がけたDavid Szymanski氏は、高評価オールドスクールFPS『DUSK』やFPSホラーアクション『Butcher’s Creek』などを開発してきた人物だ。また共に開発に名を連ねるJohn/Evan Szymanski兄弟も、壊れた教育番組のパペットと対峙するFPSアドベンチャー『My Friendly Neighborhood』など、独創的な設定のゲームを開発してきた。

なお『Secret Agent Wizard Boy』の早期アクセス配信期間は約1~2年とされているものの、計画されているアイデアの実装可否や、不具合の修正などに応じて変動する可能性もあるそうだ。正式リリースまでに新たな呪文やエリア、名前付きNPCの追加や、秘密のクローゼットなどの新たな探索要素の実装を予定している。完全に出来上がるまで正式リリースはしたくないそうで、じっくりと開発が進められていくようである。

パロディの込められた箱庭アクションという、Szymanski兄弟のこれまでのゲームとはまた少し違う作風の本作。実績ある開発者が手がけていることもあり、これからの展開に期待したいところだ。自由でカオスなゲームプレイに興味のある人はチェックしてみるのもいいだろう。

『Secret Agent Wizard Boy and the International Crime Syndicate』はPC(Steam)にて早期アクセス配信中。なお発売を記念して、3月21日までは20%オフとなる960円で購入できるセールを開催中だ。

Yusuke Sonta
Yusuke Sonta

『Fallout 3』で海外ゲームに出会いました。自由度高めで世界観にどっぷり浸れるゲームを探して日々ウェイストランドをさまよっています。

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