『グラブルヴァーサス -ライジング-』新キャラ「サンダルフォン」先行プレイ感想。直感的ながらも奥深さを秘める

Cygamesは2月26日、『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』(以下、GBVSR)の大型アップデート2.0とともに新たなDLCを配信する。こちらのアップデートでは新プレイアブルキャラクター「サンダルフォン」が追加される予定となっている。弊誌では今回実装に先んじてこのサンダルフォンを試遊する機会をいただいた。本稿では以下に、試遊レポートとしてサンダルフォンのプレイ感想をお届けする。試遊バージョンでのプレイであるため製品版とは内容が異なる場合があるので注意してほしい。

今回追加されるサンダルフォンは原作『グランブルーファンタジー』にも登場するキャラクターで、星晶獣の1体。イベントボスとして実装・登場し、後にプレイアブル化した人気キャラクターのうちの一人だ。
サンダルフォンは飛び道具、無敵技、突進技などの扱いやすいアビリティが一通り揃っている、スタンダードキャラに分類されるキャラクターだ。通常技も癖の少ないものばかりで、強いて言えばその長身と剣のおかげで全体的なリーチはやや長めな方に分類されるだろうか。

通常技の細かい性能やフレームについては試遊で確認するのは困難なため、そちらに関してはぜひ実装されてからトレーニングモードなどで調べ尽くしてもらいたいが、少なくとも試遊の範囲では特殊な挙動や特徴的な性能をしている通常技はなかったように思える。とても直感的に操作できるキャラクターだという印象だ。とはいえもちろんただのスタンダードキャラというわけではなく、しっかりとサンダルフォンらしいギミックも有している。そんなサンダルフォンの性能を象徴するアビリティたちについても見ていこう。
まずはサンダルフォンのコアギミックである特殊技についてだ。サンダルフォンの特殊技「極彩羽(ごくさいばね)」は自己強化技となっており、短いモーションとともに自身に属性を付与する。モーション中に追加入力をすることで付与する属性を変化することが可能で、追加入力なしの場合は火属性、弱攻撃ボタンでは水属性、中攻撃では土属性、強攻撃では風属性が付与されるようになっている。この追加入力は短押しだとややタイミングがシビアだが、基本的にはモーション中に押しっぱなしで問題ない。

属性は永続付与となっており、一部の属性を消費する行動を取らない限りはラウンド中に消えることはない。すでに付与されている属性を上書きすることは可能で、属性付与がされていない状態(ラウンド開始時の状態)は「光属性」状態となっている。属性は一部のアビリティの性能を変化させる効果を持つが、「風属性」状態のみは特殊。風属性状態ではアビリティの性能変化以外にも、歩き・ダッシュの速度が上昇し、空中ダッシュ(前方向のみ)が可能となる。特に空中ダッシュは革命的で、低空ダッシュから攻め込んだり中段攻撃のタイミングをずらしたりと言った攻めの駆け引きが可能となる。ただしデメリットもあり、属性状態中は被ダメージも増加する。

レバーニュートラル状態でアビリティボタン、もしくは↓↘→+攻撃ボタンで発動するのは飛び道具系アビリティの「エクリプティカ」だ。光属性状態では前方に進む剣を発射する標準的な性能の飛び道具で、弱攻撃版は発生が早いが1ヒット、中攻撃版は発生が遅いが2ヒットでガードさせて有利、強攻撃版は発生も早く3ヒットし、コンボパーツにもなる性能となっている。そしてこのエクリプティカ、属性付与中は性能が大きく変化し、サンダルフォンというキャラの最大の特徴にもなっている。

火属性付与中、エクリプティカは炎を纏った「天炎(てんえん)」に変化する。基本的な性能自体はエクリプティカと変わらないが、ヒット時に相手を小さく浮かせるようになり、コンボパーツとしての使い勝手が上昇する。水属性付与中は水泡を放つ「天水(てんすい)」に変化。水泡は弱攻撃版ではサンダルフォンの眼の前に出現し、攻撃判定を維持したまま停止。中攻撃版と強攻撃版では前方に向かってゆっくりと進んでいく。この水泡は相手の飛び道具と最大3回相殺することが可能で、飛び道具を中心に立ち回る相手に対する盾として大きなプレッシャーをかけつつ距離を詰めることが可能となっている。

土属性付与中、エクリプティカは「天土(てんど)」に変化し、地面を這うトゲを前方に射出するアビリティとなる。射程こそ短いものの接近戦で強力なアビリティとなり、ヒット時の距離が近いほどヒット数が増加。ガードされた場合でも有利フレームは近いほど長くなる。発生もそれなりに早く、連携にもコンボにも優秀なアビリティだ。最後に風属性付与中は「天風(てんぷう)」が使用可能となる。こちらは風を纏い弾速が増加したエクリプティカとなっていて、風属性で増加した移動性能と合わせて相手を牽制しつつ素早く接近することが可能だ。

→+アビリティボタン、もしくは→↓↘+攻撃ボタンで発動するのは「ランニングライツ」。相手の攻めを切り返すのに有用な対空兼無敵技だ。弱攻撃版は発生も隙も少ない代わりに無敵もないコンボパーツ、中攻撃版からは出始めから完全無敵と空中ガード不能が付き切り返しに使えるアビリティとなる。

←+アビリティボタン、もしくは↓↙←+攻撃ボタンでは「ゾハル・ストライク」が使用可能。当たればリターンの高い突進技だがガードされた場合は隙が大きいため、基本は運び用のコンボパーツ、立ち回りでは不意打ち・遠距離からの確定反撃での使用となりそうだ。このアビリティの最大の特徴として、ヒット時もしくはガード時に特殊技ボタンで派生技を発動可能。光属性状態では派生で極彩羽が発動し、ヒット確認もしくはコンボの締めから比較的安全に属性付与が行える。
そして属性がすでに付与されている状態では「属性解放」という強烈な追撃攻撃が発生する。こちらはヒットした時のリターンが大きいだけではなくガードされてもあまり不利を背負わないので、「ゾハル・ストライク」がガードされてしまった場合は大人しく派生技まで使ったほうが良いだろう。なお属性解放後は属性付与が解除され、光属性状態になる。

最後に↓+アビリティボタン、もしくは↓↓+攻撃ボタンで「ファースト・イン・ライン」が発動可能。こちらはいわゆる構えからの派生技となっているが、弱攻撃版では派生はなくその場で素早い攻撃を1回行う。中攻撃版ではその場で構えを取り、派生技に移行可能。強攻撃版では構えると同時に攻撃が1回発生し、その後派生技に移行可能となっている。
派生技は4種類。まずは構え中に弱攻撃ボタンもしくは中攻撃ボタンで「サイレンス」が発動。こちらはキャラ前方に対空する斬撃を発生させるちょっとした飛び道具で、発生も早めで隙も少ない。構え中に強攻撃ボタンで「ノー・ウェイ・アウト」。かなり移動距離のある強力な突進技だがガードされた場合はほぼ反撃確定となる。特殊技ボタン派生は「ロウ・プリズン」。吹き飛ばし・壁バウンドありの突進技で当たった場合のリターンが非常に大きい。
またボタン押しっぱなしで発動タイミングをズラせるので、見てから避けを狙ってくる相手などには有効かもしれない。最後に構え中にレバー前もしくは後ろで「ザ・ヴァイス」。構え技では定番の固定距離の瞬間移動技だが、移動距離は短めで、また裏周りも(筆者が試した範囲では)出来ないようだ。連続で使用することも出来ず移動後は構えが解除されるが、移動直後に1回だけ派生技に派生することが可能。後ろ移動で相手の攻撃を避けて派生技で差し返しのような動きは狙えそうだ。

なお、アルティメットアビリティは属性で変化せず4種類となる。それぞれUエクリプティカは壁バウンドで追撃可能な強力な飛び道具、Uランニングライツはヒット時に自動で追撃の派生が発生。Uゾハル・ストライクも追撃が発生する上に属性を消費せず、Uファースト・イン・ラインは構え技ではなくその場でサイレンスを発動しヒット時のみノー・ウェイ・アウトに自動で派生する。
最後に奥義と解放奥義だが、どちらも完全無敵かつ近距離ヒット時に演出に移行するオーソドックスなもの。解放奥義はビーム攻撃なので遠距離での確定反撃にも使えることはあるだろう。演出に関しては新キャラクターの醍醐味というところでもあるので(トレーラーなどで確認可能であるが)ここでは内容には触れずにおくので、ぜひゲーム内でその美麗なアニメーションを確認してほしい。

全体的なプレイ感触としては、直感的ながらも奥深さを秘めたスタンダードキャラといった塩梅だ。属性で性能が変化するエクリプティカと多彩な派生を持つファースト・イン・ラインはかなり使い込み甲斐があるだろう。また、やはり風属性付与状態での空中ダッシュも目を惹くポイント。これひとつで攻めの選択肢が大きく増えるので、この他キャラクターにはない強みをどう活用するかがプレイヤーの腕の見せ所となりそうだ。

『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』は現在PC(Steam)、PS5、PS4で発売中。今回試遊したサンダルフォンがプレイ可能となるDLCは2月26日に配信予定となっている。